酒類の提供できずとも、踏ん張り続ける大阪・福島の飲食店

2021.5.24 07:15

おでんが人気の「花くじら本店」ではテイクアウトのみの営業

(写真5枚)

緊急事態宣言に伴い、現在酒類の提供をおこなう飲食店への自粛が要請されている大阪。飲食店が多く立ち並ぶ大阪・福島でも当然、1カ月近く休業を余儀なくされている店が多い。度重なる要請に対してテイクアウトを強化しながらも、先行きが見えない不安と立ち向かっていた飲食店に話を訊いた。

冬季には連日行列を作ることで知られるおでんの名店「花くじら」(大阪市福島区)も休業中だが、店頭では毎日15時からおでんのテイクアウトを開始。コロナ禍以前からおでんのテイクアウトを受け付けていたこともあり、緊急事態宣言以降の発令以降は定番のネタのセットにしたおでんセット(10個入り1000円)を準備。平日では2〜3時間、休日には1時間半ほどで売り切れるほど人気となっている。

「花くじら」の定番の具材が10種類入ったおまかせおでん(1000円)

「通常時のテイクアウトよりダシを多めに入れています。なので、締めにうどんを楽しんでもらったり、アレンジとして野菜やキノコを入れたり、今だからできる楽しみ方をしてもらえたらうれしい。酒類の提供が解禁されたら、店内営業も再開したいのですが・・・。6月以降のことは未定です」とスタッフのひとりは先が見えない苦労を話す。

2020年春に発令された緊急事態宣言中にも『緊急事態弁当』20種類の販売をおこない、地域住民から多く喜ばれた大阪・福島の人気酒場「十忠八九」。今回はさらにパワーアップして、50種類もスタンバイしている。

弁当箱からはみ出るほどの大きさが自慢の「大からあげ弁当」をはじめ、系列店「とり藤」のダシを使った「自慢の親子丼弁当」、得意の魚料理「酒場のアジフライ弁当」など、味はもちろん、ほとんどのメニューが500円とリーズナブルな価格で人気を集めている。

「十忠八九」では緊急事態宣言の度にお弁当が増えて、今回は50種。得意な魚料理のほか、フライ系も充実

「弊社の飲食店は酒場なので、お酒が提供できないのは辛い。特に47都道府県の日本酒を取り揃えているこの店は、酒屋さん、酒造など、多くの影響を与えてしまっている」と話すのは同店を運営する「オーゼットカンパニー」(本社:大阪市福島区)の取締役・竹内さん。

そんな状況のなかでも前向きな姿勢を崩さず、「選ぶ楽しさがあればいいな」とお弁当屋も顔負けの50種。「注文が入ってから調理するので、時間をいただくのですが、たくさん利用していただき、お店のことを知ってもらうきっかけになっている。今、飲食業界は厳しいですが、みんな辛いと思います。この弁当を食べて少しでも喜んでもらって、また緊急事態宣言明けやコロナ後にうちに飲みに行きたいと思ってもらえたらうれしい」と話す。

「十忠八九」は通常であれば満員御礼状態の居酒屋。リーズナブルな魚料理と、日本酒のバリエーションが魅力

お酒が欠かせない両店とも苦心しながら、少しでもお客に喜んでもらえるように「食」の楽しみを伝え続けていた。「花くじら」は15時〜売り切れ次第終了、「十忠八九」」は11時〜23時の営業。詳細は公式サイトやSNSのチェックを。現時点では、緊急事態宣言後の営業は未定となっている。

取材・写真/野村真帆

大阪・福島

「花くじら」
住所:大阪市福島区福島2-7-4
テイクアウト営業時間:15:00〜売り切れ次第終了

「十忠八九」
住所:大阪市福島区福島7-2-6
営業:11:00〜23:00
電話:06-6455-6611

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