吉永小百合が恩師偲ぶ「樹木希林さんたちと皆で」

2021.4.19 06:44

役作りするため、救命救急と在宅医療の医師から学んだという吉永小百合

(写真6枚)

女優の吉永小百合が主演し、松坂桃李、広瀬すずが共演する映画『いのちの停車場』。大阪市内でおこなわれた記者会見では吉永と成島出監督が、同作が最後の製作総指揮となった東映グループ・岡田裕介会長についての思い出を語った。

「映画界のドン」こと元東映名誉会長・岡田茂氏を父に持ち、『動乱』(1980年)、『北の零年』(2005年)など多数の吉永出演作をプロデュース。が、『いのちの停車場』の完成を待たずして2020年11月に逝去した岡田会長。

吉永は、「岡田会長はそそっかしい人だから、『いのちの停車場』に止まらなきゃいけないのに、間違えて電車に乗って天国へ行った気がします。樹木希林さん(2018年9月逝去)、この映画の登場人物のモデルになった囲碁棋士・小川誠子さん(2019年11月逝去)もいらっしゃるから、みんなでわいわい騒いでいらっしゃるのではないでしょうか」と語る。

松坂桃李演じる医大卒業生・野呂が、小児がんの少女・萌を背負って海を泳ぐシーンについて、成島監督は「岡田会長がそうしようとおっしゃったんです。ただ、お医者さんが観たら『そんなことはありえない』とNGに。僕らも『ありえないですよ』と言いました」と反対したが、岡田会長は強く希望したのだそう。

成島監督は「会長は小さい頃、遠泳大会で妹さんが心が折れて泳げなくなったとき、自分が背中に乗せて泳いだそうなんです。それがとても思い出深かったとおっしゃっていました。自分と妹の姿を野呂と萌に重ねたのだと思います。映画は理を通すだけのものではない。僕は普段、自分の映画では泣かないのですが、あのシーンを岡田会長の遺影の後ろで観て泣きました」と名残惜しそうに語った。

映画『いのちの停車場』では在宅医療の現場において、医師、患者とその家族がいかに命と向き合うかが描かれる。5月21日より全国公開。

取材・文/田辺ユウキ

『いのちの停車場』

2021年5月21日(金)公開
監督:成島出
原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎)
出演:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、みなみらんぼう、泉谷しげる、ほか
配給:東映
(C)2021「いのちの停車場」製作委員会

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