吉田恵輔監督「何者にもなれない人の努力を肯定したかった」

ボクシング仲間である瓜田信人(松山ケンイチ)と、チャンピオン目前の選手・小川一樹(東出昌大)。(C)2021『BLUE/ブルー』製作委員会
「やり切れなさと儚さを残すのが僕のボクシング映画」
──とは言ってもドラマ性も深いです。特に主要人物の「記憶」「忘れる」という要素。小川はパンチドランカーで記憶が飛ぶ。楢崎剛(柄本時生)は自分のおばあちゃんが認知症を患っている。
ええ、なるほど。
──じゃあ主人公・瓜田は何を忘れる存在なのか。瓜田は実はボクシングを忘れたいのかなって考えたんです。ボクシングが好きだけど勝つことはできないし。でも体に染み付いているから忘れられない。だから後半、瓜田の小川に対するひと言につながる。
そういう意味でいくと、僕のなかでは瓜田自身がボクサーとして忘れ去られる存在であることは描きたかったです。ジムに長く在籍しているから存在感があるんだけど、いなくなると、みんなすぐに忘れていっちゃう。
特にボクシングって次々と新しい選手が出てくる。忘れられないボクサーは記録を持つ人と結果を残した人。瓜田は何の記録も残してないし、何者にもなれなかった。だからすぐ忘れ去られちゃう。だけどそういう人の努力をこの映画で肯定したかったんです。忘れない誰かがいて欲しいなって。

──それがあのラストへとたどり着くわけですね。びっくりしました。「え、ここで終わるのか!」と。
僕は阪本順治監督の『どついたるねん』(1989年)が好きですけど、あの終わり方に近い気がします。やり切れなさと儚さを残したまま終わるのがボクシング映画かなって。
──気持ちの良い終わり方ではないんですよね。もちろんそこが良いんですけど!
割と最初から、あのラストシーンは決めて脚本を書いていました。あの終わり方が、自分のなかでのボクシングに対する感情をあらわしています。瓜田はそれを背負ってくれた。「終わっちゃったの?」という感覚になるのではないでしょうか。
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