多くのリクエストに学芸員驚き…疫病除けマンボウ、再展示へ
2021.4.8 08:45

『疫病除けマンボウ』(和歌山市立博物館所蔵)縦約23cm×横約34cm
(写真1枚)
コロナ禍の終息が見えないなか、「和歌山市立博物館」(和歌山市湊本町)で展示中の木版画「疫病除けマンボウ」がSNSで話題に。その反響を受け、4月4日からの展示告知をした公式ツイートには1万以上のいいねがつき、「実物を見たい」「これは流行る可能性あり」などの声が寄せられている。
新型コロナウイルスの終息を願い、2020年8月から約1カ月にわたり初めて展示された魚「満方」の木版画(同館所蔵)は、江戸後期~明治前期のもの。「疫病除ケ」の文字が書かれており、学芸員の佐藤顕さんは「当時はマンボウを頻繁に見る機会はなく、現在の約4.5メートルを表す『壹(一)丈五尺』の表記もあるので、珍しい巨大魚で御利益がある存在と見られたのでは」と推測する。
当初は「アマビエの二番煎じ?」などの反応もあったというが、コロナ拡大に伴い12月から今年3月21日まで再び展示され、さらに「急に数多くの要望が寄せられた」と、3回目の展示を実施することに。写真撮影が可能なため、来館者の多くが撮影に訪れるという。
現在3府県で実施中の「まん延防止措置」にちなみ、SNSでは「マン延ボウ止で、マンボウ」などの声も見られるが、「今回の展示は『まん延防止等重点措置』とは関係がありません」と佐藤さん。「要望の多さに驚きました。今も昔も、疫病の時に何かにすがりたい人々の思いなど、歴史を感じてもらえたら」と呼びかける。展示期間は5月5日まで。
取材・文/塩屋薫
和歌山市立博物館
住所:和歌山市湊本町3-2
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)※月曜休(祝日の場合は、翌日休)
料金:一般100円、高校生以下は無料
電話:073-423-0003
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