今泉力哉監督「これからって役者さんばかりだった」

2021.4.8 21:15

主役を演じる若葉竜也。古着屋に勤め、読書好きな青年を演じる。(C)「街の上で」フィルムパートナーズ

(写真6枚)

『愛がなんだ』など、青春群像劇の名手と名高い今泉力哉監督による映画『街の上で』。本来であれば2020年春に公開予定だったが、コロナ禍によって延期となり、1年越しの4月9日に公開される。

主役を演じるのは、映画初主演となる俳優・若葉竜也。NHK連続テレビ小説『おちょやん』に出演するなど、活動の場を飛躍的に広げている注目の存在だ。また、今後の活躍が期待される、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚のほか、成田凌が友情出演している。

下北沢の古着屋で働く主人公・荒川青が過ごす、彼女と別れたあとの何気ない日常。そんななか依頼された「自主映画への出演」で、出会った女性たちとの絶妙な人間関係が描かれていく。同作について、今泉監督とも親交が深い映画評論家・ミルクマン斉藤が話を訊いた(一部ネタバレあり)。

取材・文/ミルクマン斉藤

「『ロメール好きでしょ?』とか言われて、観るようになった」

──(監督が手にするチラシに目をやり)あ、監督、エリック・ロメール『六つの教訓話』特集のチラシ見てるんですか?

いや、ちょっと気になって。ロメールの映画って、どれもタイトルがいいなと思って。新作のタイトルをずっと迷っているんですよね。

──ほとんど直訳なんだけど、いいですよね。でも『街の上で』って、女の子のちりばめ方がちょっとロメールっぽいかなと。

このチラシで『モンソーのパン屋の女の子』を思い出して、この系譜にあるなと思いました。『飛行士の妻』とか改めて観たら、我ながら『街の上で』は絶対に影響受けてるな、と。

──『街の上で』はいちおう若葉竜也さんと4人の女性の話、ってことになってるけど、ホントはそれだけじゃないですよね。ほかにも点的に現れる女性が何人か出てきて、その女性もハワード・ホークス風にみんな魅力的だという。どの女性がメインの4人なのか、見進めないと分からない(笑)。

そうですねぇ、意図的ですけれども。ライヴハウスの女性とかもヒロインぽく撮ってその場限りとか。逆に古着屋のめんどくさいカップルみたいに、それで終わりだよな、ってのをもう1回出すとか(笑)。

左から萩原みのり、古川琴音、穂志もえか、中田青渚。(C)「街の上で」フィルムパートナーズ

──そうしたリフレインとか、はぐらかし方とかも含めて、きっとロメール好きなんだろうなというのは、今までの作品からも感じてきたんですけども。

でも、昔は本当に全然観てなくて。デビューした頃、人から言われて観るようになったんです。「ロメール好きでしょ?」とか「似てるよね」とか言われて。実際観たらあまりにすごかったから、恐れ多くて。「全然、似てないわ。俺、できてないわ」と思いました。

そういえば『第71回ベルリン国際映画祭』で銀熊賞を受賞した濱口竜介さんの新作『偶然と想像』も構成がロメールっぽいですよね。

──あれに古川琴音さん出てますよね。

彼女の活躍、すごいですよねぇ。

──4月からのドラマ『コントが始まる』のCMに、菅田将暉、有村架純、仲野太賀、神木隆之介ってメンツと同じ並びでどどーんと出たんでびっくりしましたよ。それも含めてこの『街の上で』、コロナのせいで公開が1年延びた間に、出ている俳優陣の知名度の上昇ぷりが尋常じゃない。

若葉さんもねえ、ほんとに。

──うんうん、今や朝ドラ俳優。『おちょやん』からいったん消えたときには「若葉ロス」とか言われちゃって。成田凌さんなんて、その『おちょやん』のW主演じゃないですか。まさにこの作品の「朝ドラ俳優」という設定そのままに(笑)。『街の上で』を撮ってるときはまだ決まってなかったんでしょ?

今のは決まってなかったけど、成田さんは前にも朝ドラ出てたんで。

──そうでしたっけ?・・・あ、『わろてんか』の葵わかなのひとり息子か。

はい、1回出てたんですよ。成田に関してはネタとして当て書きして。役名も「成田凌」でやらせようとしてたくらい(笑)。でも「間宮」って名にしたんですね。

山戸結希さんの映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』(2019年)で、成田さんと仲のいい間宮祥太朗さんが演じた役が「成田凌」だったんですよ、読みは「なりた しのぐ」だったんですけど。それで今回は間宮を演じさせようみたいな。成田さんは嫌がってはないけど、「もぉ~」みたいな感じでした(笑)。

──あ、それは気づかなかった。でも穂志もえかさんも、コロナ禍のなかで撮られた岩井俊二監督の『8日間で死んだ怪獣の12日間の物語』でメチャ印象的なYouTuber役やっててMVまで撮ってるし、萩原みのりさんなんてそれこそメチャクチャ映画に出てますもん。

今度、主演ドラマも決まってますね(ABCテレビ『RISKY』)。

──ある意味、この映画の中心的女性といってもいい中田清渚さんも、監督は最新作『あの頃。』で再度起用されてますしね。

そうです。『街の上で』の中田さんは想像より魅力的になりました。長回しを含め、中心というか、一番謎な人にはなっていますね。行動原理もですけど。

『街の上で』

2021年4月9日(金)から順次公開
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉、大橋裕之
出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚ほか
配給:「街の上で」フィルムパートナーズ
(C)「街の上で」フィルムパートナーズ

関西の上映館:テアトル梅田、シアタス心斎橋、出町座(以上、4月9日〜)、イオンシネマ京都桂川(4月23日〜)、元町映画館(5月1日〜)

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