尾上松也、ラップでディスる初主演映画「イチかバチかだな」

2021.3.12 07:15

東京本社勤務のエリート銀行員だった香芝誠を演じる、尾上松也

(写真5枚)

3月12日より全国公開される歌舞伎俳優・尾上松也による初主演の映画『すくってごらん』。大谷紀子の原作漫画を映画化した同作は、田舎町に左遷された元エリート銀行員・香芝が金魚すくいを通して自分の人生を見つめ直していく物語だ。

この映画のポイントは、音楽演出。主人公・香芝の胸の内がラップで表現されるほか、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子演じるヒロイン・吉乃のピアノ演奏など、ミュージカルシーンも見どころに話が進んでいく。

香芝役の尾上松也は、同作の音楽演出について「脚本を読んだとき、最初は正直『どういうことなんだろう』と想像ができませんでした」と明かす。「ミュージカルって『ここから音楽が入るぞ』という流れを作らないと成立しない。ですが、この映画は、『ここで歌が入ってくるのか』と意外な部分がたくさんあったんです」と驚きを口にする。

「効果的かどうか分からなくて、『これはイチかバチかだな』と思いました」という一方で、「従来のミュージカルの概念にとらわれていないやり方が刺激的でした。どちらかというとタブーをやっているのではないでしょうか。原作があるにも関わらず、映画としてややこしい要素をわざわざ入れている。それを成立させるためにいろいろ考えた、真壁幸紀監督たちの精神がチャレンジング。一緒に映画を作るのが楽しそう、と感じました」と振りかえる。

百田夏菜子演じる生駒にひとめぼれする。(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社

もともと、「日本ならではのミュージカル映画、音楽性の強い映画に出演したい願望があった」という松也。仕事や人間関係へのディス(否定の言葉、悪口など)をラップにのせ歌う香芝について、「根性が曲がっていて、偏見に満ちあふれた、時代にそぐわない男」と苦笑いを浮かべる。

ただ「そんな香芝が金魚すくいを通じてどのように成長するか。エンディングの曲に向けて、彼が成長する姿を落とし込んでいきました」と、香芝の心模様を歌にした終盤の展開を見どころにあげた。映画『すくってごらん』には、柿澤勇人、石田ニコルらも出演し、金魚の街が舞台となる。

取材・文・写真/田辺ユウキ

『すくってごらん』

2021年3月12日(金)公開
監督:真壁幸紀
原作:大谷紀子『すくってごらん』(講談社「BE LOVE」所載)
出演:尾上松也、百田夏菜子、柿澤勇人、石田ニコル、ほか
配給:ギグリーボックス

(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社

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