幕末・明治から80年代まで、日本写真史を彩る作家の展覧会

フェリーチェ・ベアト 魚売り 1867年
幕末・明治から現在に至る日本写真史をテーマにした展覧会をご存じか。「入江泰吉記念奈良市写真美術館」(奈良県奈良市)で2月14日まで開催の『マーク・ピアソン フォト・コレクション展 忘却の彼方へ-日本写真史の黎明期から現在まで』である。
本展の作品は、「禅フォトギャラリー」(東京都港区)のオーナーでアート・フォト・コレクターのマーク・ピアソンが収集したもの。幕末・明治の日本を捉えたフェリーチェ・ベアトら外国人写真家の作品に始まり、大正時代に活躍した福原信三、昭和の戦前期から活躍していた名取洋之助、木村伊兵衛、植田正治、入江泰吉(特別出品)、1960年代以降を代表する荒木経惟、森山大道、須田一政ら、23作家・430点で構成されている。

そして本展の真骨頂はここから。1950~60年代の大阪・釜ヶ崎を捉えた井上青龍、1960年代から70年代初頭の反体制運動をテーマにした浜口タカシ、渡辺眸、北井一夫など、相当な写真マニアでも唸る面々が名を連ねている。
また、日本の海女を取材したフランシス・バールの作品は健康的な生命美にあふれ、厳冬の津軽をテーマにした小島一郎の作品は詩的な美に満ちている。しかもそれらの作品は写真家が発表当時に制作した貴重なヴィンテージ・プリントなのだ。
これほど充実した写真展はめったに見られない。写真ファンなら絶対に見ておくべきだ。なお本展は全3回で構想されており、本展は第1章『日常生活 1850-1985』にあたる。第2章は2022年に開催予定だ。料金は一般500円。
取材・文/小吹隆文(美術ライター)
『マーク・ピアソン フォト・コレクション展 忘却の彼方へ-日本写真史の黎明期から現在まで』
期間:2020年11月21日(土)~2021年2月14日(日)
時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで 月曜休
会場:入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町600-1)
料金:一般500円、大高生200円、中小生100円
電話:0742-22-9811
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