大阪で高齢者施設に向けPCR検査センター「便利で手軽に」

2021.1.21 11:45

定例会見のフリップより「高齢者施設のクラスター発生状況」(1月21日・大阪府庁)

(写真6枚)

大阪府が、新型コロナウイルス感染防止対策として、高齢者施設の職員や入所者がスマホで申し込んで簡単にPCR検査を受けられる「スマホ検査センター」を1月21日に開設。吉村洋文知事が20日の定例会見で発表した。

新型コロナの第3波(集計2020年10月10日〜2021年1月18日)では、重症例のうち70代以上が全体の60%、死亡例だと91%を占め、死亡例全体の平均年齢は77歳。

特にこの第3波では、府内87の高齢者施設でクラスターが発生し1552人が感染、132人が亡くなっている。

これまでも各高齢者施設への見回りや感染対策の助言など、さまざまな研修を重ねてきた大阪府。関係者に少しでも症状があれば検査し、ひとりでも陽性者がいれば、施設の職員や入所者の全検査をおこなって早期にクラスターを抑えるよう努めてきた。

その体制をより一層強化する今回の「スマホ検査センター」は、府内の高齢者施設の職員と入所者のうち少しでも症状がある人を対象に、迅速に検査できるシステム。

検査方法は、スマートフォンから申し込みをしバーコードを取得。府内12カ所ある検査センターで検体採取容器などを受け取り、唾液による検体を提出する。

夕刻までの引き取りで最短翌朝に検査結果がスマートフォンに通知。陽性だった場合は、保健所によって施設の疫学調査がおこなわれることになる。

吉村洋文知事は会見で、「今回のシステムは非常に画期的な仕組みと思っている。ウイルスの持ち込みを少しでも減らせれば高齢者の命を守ることにつながる。より便利で手軽に検査できる仕組みを強化していきたい」と、期待した。

同センターは1日最大500件対応の体制で21日から受け付けを開始しており、申し込みは24時間対応。施設や受検者の費用負担はなく、申し込み・検査・結果通知まで一貫してスマートフォンなどネットで実施される。

なお、受診が必要な場合や唾液採取が難しい場合は、従来通りかかりつけ医や受診相談センターでの対応になるという。

取材・文・写真/岡田由佳子

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