【連載vol.12】見取り図リリー、ナショナル・ギャラリー展を観る

この絵からは快活だったゴッホがあふれているようです(この後はメチャクチャ暗い絵を描きます。連載5回目を見てみてください)。フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」(1888年)
アート大好き芸人「見取り図リリー」が、色々なアート展を実際に観に行き、美術の教員免許を持つ僕なりのおすすめポイントをお届けするという企画でございます。今回は大阪・中之島の「国立国際美術館」でおこなわれている『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』です。
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」というのは、簡単に言うと、1824年にロンドンに設立された由緒正しき美術館です。今回、日本で初めて作品が展示されるのですが、すごい作品が並びすぎて興奮で小便ちびりそうになりました。
パッと名前を挙げると、ボッティチェッリ、ゴッホ、ゴーギャン、フェルメール、セザンヌ、ドガ、モネ、アングル、ベラスケス、ルノワールなどなど・・・いや、ヤバすぎる! こんなもん絵画界のアベンジャーズですよ(編集部注:マーベル映画にも登場する最強ヒーローのチーム)。
アートをお金で考えてはいけませんが、こんなお得な展覧会ない! もちろんどの展覧会もコンセプトやここが見どころってありますが、今回はとりあえず超有名画家の数がすごい。1日でこれだけの画家の絵を大阪で観れるて。絶対行くべきじゃん! 今iPhoneで文字打ちながら小便ちびってます。
まず、展覧会はイタリア・ルネサンス絵画から始まります。特に目を惹いたのは、カルロ・クリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」という高さ2mほどある大きい作品。色々な趣向が凝らされ、受胎告知を受けるマリアと、町に自治権が認められたいう2つのテーマを一つの絵にしてます。
右上には孔雀が描かれていて孔雀は女神の象徴らしいのです。ほかにも色々な仕掛けがあるらしいのですが、無知な僕にとってもただただすごい絵でした!

続いてはオランダ絵画が並びます。「オランダといえばフェルメールだろ」とフェルメールに期待して入室すると、ウィレム・クラースゾーン・ヘーダ「ロブスターのある静物」に心を撃ち抜かれました。すげぇ! うま! 綺麗! 情けないことに、ヘーダの事を知らなかったのですが、めちゃくちゃ好きになりました。
もっと有名になってもいいのに。こんな絵描きたいー!って素直に思ってしまいました。そして欲しい。「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」館長の娘だよーって方いたら連絡お待ちしております。
もちろんフェルメールやレンブラントなどオランダの巨匠のもたくさんあります。続いてはイギリスの作品。トマス・ローレンス「シャーロット王妃」は圧巻。239.5×147cmの大きさ。ドレスの質感の表現方法などまじすごすぎです。
この展覧会で、1番僕が印象に残ってるのは、同じくイギリス人のジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」。この絵は本当にずっと観てられる。海に船が浮いているのですが、「物」を描いているのではなく「空気」を描いているんだろうなぁと感じました。絵の奥行きがどこまでも続く感じ。ぜひ生で観て欲しい。

そして最後は、日本で大人気のルノワール、モネ、セザンヌ、ゴーギャンと名作のオンパレード。最後にゴッホの「ひまわり」です。ちなみに「ひまわり」は7点あるそうで、今回展示されているのはゴッホが一番うまく描けたと思った作品らしいです。いやぁ、完璧な超高級コース料理をいただいた気分です。
アート史のなかで一番盛り上がった時代をたどれると言ってもいいでしょう。近年稀に見る豪華さではないでしょうか。間違いなくおすすめです!
『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』
ロンドンの中心部に位置するイギリスを代表する美術館が、改修工事をおこなうとあって約200年の歴史で英国外での展示が初めて実現した企画展。西洋絵画の教科書ともいえるような61点は、宗教画、人物画、静物画など、その時代ごとのトレンドを感じ取れる内容に。期間は2021年1月31日まで、一般1700円、大学生1100円、高校生700円ほか。事前予約による日時指定制を導入し、定員に達していない時間枠の一部は当日券を美術館で販売する。詳細は公式サイトにて。
【見取り図の近況】
12月20日の『M−1グランプリ2020』に3度目のファイナリストとして参戦。「よしもと漫才劇場」に加え、大阪城近くのSSホールで12月1日に始まった「森ノ宮漫才劇場」企画で漫才やります。また、YouTube「見取り図ディスカバリーチャンネル」は年間100本目指して現在更新中。あと少しのところまで来ていますので、見てみてください!
『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』
期間:2020年11月3日(祝・火)~2021年1月31日(日)※12/30~1/2・18休
時間:9:00~17:30(金土曜~20:00)※入場は閉館30分前まで
会場:国立国際美術館(大阪市北区中之島4-2-55)
料金:一般1700円、大学生1100円、高校生700円ほか、中学生以下無料(要証明)
※本展は日時指定制、チケットの購入方法は公式サイトで確認を
電話:06-6447-4680(代)
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