正倉院展、初の動画配信 開幕前から入場券ほぼ完売のため

2020.10.28 06:15

「ならはくチャンネル」で梱包から陳列までの様子が動画配信された『伎楽面 酔胡従(ぎがくめん すいこじゅう)』

(写真2枚)

『第72回正倉院展』奈良国立博物館(奈良県奈良市)で開催している『第72回正倉院展』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「前売日時指定券」の予約・発券が必要だが、すでにほぼ完売という状況。

そのため、同博物館は、今年は特別に、ユーチューブ「ならはくチャンネル」と「読売新聞オンライン正倉院展特設サイト」で動画が配信されている。

「読売新聞オンライン正倉院展特設サイト」では、一般会員登録(無料)するとダイジェスト版ではない16分40秒の映像を閲覧可能。内藤栄学芸部長のギャラリートークで正倉院展のバーチャルツアーを体験できる。

注目は、『ならはくチャンネル』で公開されている正倉院展開催までの舞台裏映像だ。奈良時代の聖武天皇遺愛の品を含む、約1300年前の貴重な宝物が梱包・運搬・開梱・陳列されるという、普段観ることができない様子がオンライン配信されている。

「ならはくチャンネル」で梱包から陳列までの様子が動画配信された『紫檀槽琵琶(したんのそうのびわ)』

同館の松本伸之館長は、「どうやって正倉院宝物を取り扱っているか、運んでいるか、展示しているか。まさにこれまでまったく観たこともない動画。ちょっとびっくりすると思います」と力を込める。

第1回正倉院展からの伝統で、宝物の梱包と開梱は同博物館の研究員らがおこなう。通常の文化財の取り扱いより細かくチェックされ、2倍、3倍の注意が払われているという。運搬もパトカー先導のもと、宝物を傷めることがないよう時速10キロでゆっくり運ばれる。

今後も同チャンネルでは、学芸員による宝物解説などの動画が随時配信される予定だ。「二次元的なものではありますが、今回はことのほか情報発信を手厚くしています」と松本館長。毎年、多くの人が買い求める人気の正倉院グッズも同博物館の公式サイトから電話・ファックス・メールで通販対応する。会期は11月9日までだが、動画は『ならはくチャンネル』『読売新聞オンライン正倉院特設サイト』ともに11月30日まで配信。

取材・写真/いずみゆか

「第72回正倉院展」

期間:10月24日(土)~11月9日(月)※会期中無休
時間:9:00~18:00(金土日祝は〜20:00)※入館は閉館の60分前まで
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館(奈良県奈良市登大路町50)
料金:一般2000円、中・高・大学生1500円、小学生以下無料(無料用の「前売日時指定券」の予約・発券が必要)※観覧には「前売日時指定券」の予約・発券が必要
電話:050-5542-8600

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