感染拡大の大阪、府民に対し5人以上の宴会を控えるよう要請

2020.7.29 13:35

5人を基準としたのは「大騒ぎにならず、クラスターの影響が少なくて済む人数」と説明した吉村洋文知事(7月28日・大阪府庁)

(写真3枚)

発表される感染者が増加しているなか、大阪府が『新型コロナウイルス対策本部会議』を7月28日に実施。現状への対策として、府民に向け「5人以上の飲食・飲み会を控えること」を8月1日から20日まで要請することが決定した。

感染者の増加を受けて、7月12日には府民に対して「警戒」を呼び掛けるイエローステージ(警戒)の対応を固め、通天閣のライトアップなどを行って来た大阪府。

しかし、感染の拡大傾向は続いており、28日の検査数が過去最多の2055人に対して、新規陽性者数も最多となる155人となった。

また、感染が広がり始めた6月中旬の陽性者は、大阪市内の夜の街の関係者と滞在者が約3割を占め、年齢は10代~30代が中心に。しかし現在は、「40代以上・市外在住」の割合が徐々に増加している。

これに対して、同日の会議で吉村洋文知事は、「若い人たちが大人数で大声で騒ぎながら飲食して(感染が広がる)というのが多い。国では『大人数での会食は控えること』といっているが、若い人たちに明確にメッセージを伝えるために基準を明確にしたほうがいい。そのために5人以上という基準が必要と思う」と提案。

これに対し、大阪大学医学部附属病院の朝野和典教授は、「5人と10人の場合ではクラスターの規模が変わる。小規模なほどクラスター規模は小さくなるのが当然で、少人数であることはメリットがある。社会的なきっかけを作る、行動を変容させるという意味でも(それを発信するのは)効果がある」と話した。

結果、本部会議ではその人数に根拠はなくとも抑止力を優先し、8月1日から府民に対して「5人以上の宴会・飲み会は控えること」を要請することが決定。

会議後の会見で吉村知事は、「飲食店の方には申し訳ないとしか言いようがない。社会を動かしながら、感染を防ぎたい。少人数であれば問題がないため、府民のみなさんや事業者にはご理解いただきたい」と訴えた。

取材・文・写真/岡田由佳子

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