近大生を支え続けた洋食店 、8月末で53年の歴史に幕

近大生のお腹を満たし続けた「キッチンカロリー」(大阪府東大阪市)
「近畿大学」(大阪府東大阪市)の校門付近で、53年間学生たちの空腹を満たす食堂として愛され続けてきた「キッチンカロリー」が8月31日、幕を閉じる。
椎林要治さん・晴子さん夫婦で営む同店。「コロナじゃないよ。2人でいけるとこまでいったので、幕を閉じます」と笑顔で話す2人に、お話をうかがった。
昭和42年の食糧難だった時代に、「お腹いっぱい食べさせてあげられる食堂を作りたい」と、当時27歳の要治さんが開いた同店。要治さんは明治大学近くにある「キッチンカロリー」(東京都千代田区)で修行をし、独立する際に「名前を引き継いで良い」と言ってもらったことから、同名でオープンした。

同店のモットーは「薄利多売」。カレーライスは430円、野菜がたっぷり入った名物・ガチャ鉄板焼(ライス付き)は630円・・・とお財布に優しい価格。そのほか、ハンバーグやオムレツなど、学生たちが喜ぶ洋食メニューが並ぶ。
「自分も空腹で過ごした時代があるからこそ、好きなものをお腹いっぱいたべてほしい」と要治さん。メニューは当時からほとんど変わっておらず、久しぶりに来た近大OBも「懐かしい!」と喜ぶ人が多いという。
実は、お店を閉めることは何年も前から考えていたという椎林夫婦。80歳を迎える要治さんと74歳の晴子さんは日々の営業が体力的に難しくなってきており、「2人でいけるところまでいこう」と話し合い、今年辞めることをついに決意。9月1日にオープンしたため、ちょうど53年目となる8月31日を最後の日として決めた。

「こっそり辞めるつもりだったが、晴子さんが口をすべらせて広まってしまいました」と笑う要治さん。「でもわざわざ顔をだしてくれるOBさんや手紙をくださった方もいていいじゃない」と晴子さん。仲睦まじい2人に、客はみんな笑顔になる。
あたたかく近大生を見守り続けてきた「キッチンカロリー」。閉店後、何をするかは未定だという。「辞めることに悔いはありません。最後にまた、食べに来てくれたら」と呼びかける。営業時間は、11~15時(水日祝休)。
取材・写真/小田切萌
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