関西の歌舞伎が再開、3密を避け「安全にできると示したい」

2020.7.15 21:15

左から『晴の会』の片岡千壽、片岡松十郎、片岡千次郎(7月13日・大阪市内)

(写真1枚)

松竹・上方歌舞伎塾出身のメンバーによる上方歌舞伎公演で、2015年に「近鉄アート館」(大阪市阿倍野区)で始まった『あべの歌舞伎 晴(そら)の会』。そのメンバーらが7月13日に大阪市内で会見をおこない、8月20日より始まる本公演に向けての思いを語った。

片岡松十郎、片岡千壽、片岡千次郎を中心とした『晴の会』による本公演が、新型コロナ感染拡大防止のための活動自粛以降、関西での歌舞伎再開の第一歩に。松十郎はそのことに喜びつつも、「責任も感じています」と気を引き締める。

「僕たち自身も感染防止対策をしっかりしないといけませんし、お客さまが不安を抱いてお越しになるのは申し訳ない。それだけに劇場と一体となって万全に対策します。お客さまが入らなければ今後の公演も続けていけないので、安全に上演できるということを示していきたい」と意気込んだ。

本公演では、客席を従来の322席から約半分の150席に減らし、検温や消毒、空調換気の徹底、出演者との面会禁止など、「近鉄アート館」のガイドラインに沿った感染予防対策を取って実施。

また、上演中、屋号などの掛け声をかける大向(おおむこう)は、1階通路の奥や2階席の端を定位置とするなど飛沫感染の予防を施し、歌舞伎らしさを残しながらも新たな見せ方で取り組む。

6回目を迎える今年の演目は、上方落語の『宿屋仇』を歌舞伎に仕立てた新作『浮世咄一夜仇討(うきよばなしひとよのあだうち)』。第1回の旗揚げ公演でも上演し、好評を得た3人芝居で、3密を避ける目的もあり、再演にいたった。

本公演の役者、スタッフとも、ほぼ関西在住。緊急事態宣言解除後、大阪での歌舞伎公演再開第1号となるだけに「これも何かの先駆けになったら。一丸となって頑張りたい」と一同気合を入れた。

舞台は、8月20日から23日までの全11公演で、チケットは一般6000円、高校生以下1000円で7月18日に発売。また、9月には有料動画配信(3000円)も予定されている。

取材・文・写真/岩本

『第6回 あべの歌舞伎 晴の会』

日程:2020年8月20日(木)〜23日(日)
会場:近鉄アート館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43)
料金:一般6000円、高校生以下1000円
電話:06-6622-8802

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