江本孟紀さん「漫画『あぶさん』は、私たちの姿」

2020.6.30 19:15

野球解説者、元南海ホークスの江本孟紀さん

(写真3枚)

野球解説者の江本孟紀さんが6月29日、「ロフトプラスワンウエスト」(大阪市中央区)にて無観客でおこなわれたトークイベント『追悼・野村克也 蔵出しドキュメンタリー上映&江本孟紀が語り尽くす“南海ホークス秘話”』に出演。今年2月11日に亡くなられた野村克也さんにまつわるエピソードを明かした。

この日は野村克也さんの85回目の誕生日。これまで野村さんにバースデープレゼントを贈ったことは「一度もなかったです」という江本さんだが、その仲の良さは有名で、3月には共著『超一流 プロ野球大論』を刊行。野村さんの最後の著書ともいわれている。

江本さんは「原稿ができて最終チェックが終わった翌日、野村さんが亡くなられました。僕が(プロ野球の)沖縄キャンプへ行っていたとき、江夏(豊)から電話があった。珍しくかけてきたな、と思ったら『ノムさんが亡くなった』と。だからこれが最後の本みたいな形になった。長いこと付き合っていたけど、初めての共著。2019年の8月頃から何度も会っていたけど、まさかこれが最後になるとは。野村さんは直前までいろんな野球の話をしていた」と、しみじみと語った。

左から、番組ディレクターの土井聡夫さん、江本孟紀さん、カンテレアナウンサーの毛利八郎さん

イベントでは、2004年に関西テレビで放送された『ザ・ドキュメント 帰らざる黄金の日々〜南海ホークスへの鎮魂歌〜』も上映。同作は、常勝チームだった南海ホークスの栄光だけではなく、球団と野村さんが縁を切ったとされる理由など、さまざまな裏側を関係者の証言でひもといていくドキュメンタリーだ。

作品のなかでは派閥や選手間の関係性についても触れられており、江本さんは鑑賞後「選手同士は仲が悪かった。嫉妬するのは当たり前。私が投げているときは、(主砲だった)門田博光がまったく打たない。でも最後にはまとまるんです。おっさん(野村さん)のためにという気持ちがあったから。仲が良いのはダメ。傷を舐め合っていて、そういうチームは今でも弱い」と、懐かしそうに振りかえった。

また江本さんは、野村さんのことを「インテリジェンスといわれているけど、実は情の人。人を奮い立たせる言葉を持っている」といい、「ホークスへ移籍してきたとき、監督室に呼ばれて『お前は10勝は軽い』と言ってくれて感動した。しかも、『どうせエースと呼ばれるようになるんだから、エース番(番号)をつけておけ』と16番のユニホームを出してくれた。よく考えたら、それまで16番をつけていた種部(儀康)さんがトレードしたから空いていただけなんだけど、でもそのふたつのことばで『このおっさんのために』という気持ちになれた」と奮い立ったという。

トークでは、またこんなエピソードも。「漫画家の水島新司さんは、私たちの姿を見て漫画『あぶさん』を描いた。選手の名前や動きもリアルだったのですが、でも私の設定を大酒飲みにしていたので、「お酒を一滴も飲まないんです」と言ったら次の号から直してくれた」と江本さん。

さらに、江本さんが「墓場まで持っていきたいんだけど」という野村さんと南海の決裂のヒントなどが繰り広げられた。それらの模様はツイキャスのアーカイブで7月6日の23時59分まで配信される。

取材・写真/田辺ユウキ

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