いろんな場所で「ソーシャルディスタンスを保って」と周知しているのを目にしますが、そんななか、「近畿大学」（大阪府東大阪市）が常軌を逸した呼びかけをしているツイートを発見。

世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功し、今や「近大マグロ」が有名な同大学。その「マグロ」でソーシャルディスタンスを呼びかけていたのです。図書館の「アカデミックシアター」は大漁の模様！？ 広報の村尾さんに狙いを伺いました。

──ペーパークラフトで手軽に作れる立体型の「マグロマスクカバー」でも話題になった近畿大学ですが、今度はアカデミックシアターにマグロが放流されているという噂を聞きました！ 狙いはどういった点でしょうか？

近畿大学ならではの「ソーシャルディスタンスのとり方」を啓蒙できないかと考えていたところ、インターネットで「マグロのサイズ（２メートル）＝１ソーシャルディスタンス」という情報を目にして、「これだ！」と思いました。「マグロ大学」を自称する本学にしかできない取り組みだと思っています。

──マグロのサイズがぴったりだったんですね！

そうなんです。それで普通に「ソーシャルディスタンスを取りましょう」と言うよりも、「楽しみながら距離がとれる」「マグロを見て思わず笑ってしまう」「二度見してしまう」などの要素があれば、行動しやすくなりますよね。そういうわけで、アカデミックシアター内をマグロで埋め尽くすことにしました。

──すごい！ まさにマグロ大学ならではの取り組みですね。ちなみにマグロは何匹いるんでしょうか？

大きなマグロが７０匹、小さいマグロが１５０匹の合計２２０匹が泳いでいます。ちなみに、広報室の職員で作業し、丸一日かかりました（笑）。

──マグロいすぎ！（笑） 学生たちの反応はいかがでしょうか？

「さすがマグロ大学」「近大らしくていいと思う」「めっちゃシュールｗｗ」「マグロに見られているようで勉強に集中できない」「普通に怖い･･･（笑）」など、いろんな意見があるようですね。

──勉強に集中できるか気になるところです（笑）。マグロはいつまで図書館にいる予定でしょうか？

当面は感染症対策が必要な状況が続くと思いますので、学生のみなさんにはマグロに囲まれて学習をしてもらうことになります。

──そのうち自分専用のマグロも出てきそうですね。近畿大学では「マグロマスクカバー」がかなり話題なったことからも、もしかして「マグロ」ってコロナ対策に有効･･･？

実質的な効果はないと思いますが、「マグロマスクカバー」「マグロでソーシャルディスタンス」と、近大マグロが本学のコロナ対策にひと役買っているのは間違いないと思います！

──今後もなかなか判断の難しい状況が続きますが、大学としての取り組みはありますか。

新型コロナウイルス感染症拡大はまだまだ予断を許さず、大学もウィズコロナの環境に併せてさまざまな対応が求められています。

学生や教職員への感染症対策をしっかりするということがもちろん前提ではありますが、今回の「マグロでソーシャルディスタンス」のように、今後も近大らしさ、大阪っぽいユーモアを織り交ぜたユニークな取り組みができれば、と考えています。

取材・文／小田切萌