実はヘルシーだった!? 誤解されがちな「ねるねるねるね」

1986年から販売されている「ねるねるねるね」(左からブドウ味、ソーダ味)
謎の粉に水を入れて混ぜると色が変わるなど、不思議な現象を体験しながら食べるお菓子「ねるねるねるね」(1986年発売)。30代前半の筆者は子どもの頃のイメージで、「健康に悪そう」と勝手に思っていました。
しかし先日、同商品が「合成着色料・保存料不使用で、意外にもヘルシーなお菓子では?」とつぶやかれたツイートが話題に。調べると定期的に「健康に悪くないんだ」と驚かれており、まだまだ知られざる事実のようだ。30年以上に渡って同商品を製造販売するメーカー「クラシエフーズ」(本社:東京都港区)の担当者に、詳しい話を訊きました。
──SNSでの反響にあったように、保存料や合成着色料を使用していないんですね。ちょっと化学的なお菓子のイメージだったので、意外でした。
そうなんです。まだまだ知らない方もいらっしゃるようですが、弊社の知育菓子は、ずっと保存料や合成着色料は使用せず、すべて植物由来のものを使用しているんですよ。
でも当初はちょっと不思議なお菓子、怪しいお菓子として売り出していたこともあり、身体に悪そうなイメージが付いてしまい・・・。
──魔女のようなおばあさんがねるねるねるねを混ぜるCM、かなり印象に残っています。
そうですよね。そのイメージが定着したので、2011年からはパッケージに「合成着色料、保存料不使用」のマークを付けました。それ以来、安心して食べられるお菓子としてかなり認知されるようになったと思っていたのですが、またSNSで話題になっていたんですね(笑)。

──でも、改めて安心して食べられることが分かると、大人も子どもに気軽に買い与えられますね!
はい。まずはお母さんたちに安心して買ってもらえるよう意識してのことで、大成功でした。また最近では、子どものころ食べていた方たちが親になって、自分の子どもと一緒に楽しんでくれていることも多いようです。
──現在、コロナ禍において家で過ごす時間が増え、お菓子作りなども流行っていますが、「ねるねるねるね」も売上は伸びているのでしょうか?
おかげさまで、いつもより少し伸びていると報告がきております。おうち時間に楽しんでいただけているようです。

──楽しくお菓子が食べられるだけでなく、理科の実験的要素もあるので、学びにもなりそうですね。これをきっかけにして、勉強や学習への興味関心を持つお子さんもいらっしゃるのでしょうか?
はい。実際にそういった話も聞きます。また、実は「ねるねるねるね」を夏休みの自由研究に使う提案なども以前からしており、実際に毎年使ってもらっています。
──そうなんですね!
休校中で授業がおこなわれていない今、ぜひ学習の入り口として使ってもらえたらうれしいです。「何で色が変わるのかな」「何で膨らむのかな」など、不思議な現象に対して「なぜ?」という疑問を持つきっかけが、知育菓子にはあると思いますので。
──なるほど。楽しみながら積極的に学べそうですね。我が家でも娘と作ってみようと思います。
はい。お菓子というとっつきやすい題材を上手く利用して、ぜひ親子で一緒に楽しんでください。
◆
ちなみに仕組みとしては、目にも良いと言われる「アントシアニン」入りの重そう(1番の粉)に水を加えることで、中性からアルカリ性になり、色も黄から青に変化。そこにクエン酸(2番の粉)を加えることで酸性になり、水色に発色するように。
また、重そうとレモンの酸が反応することで炭酸ガスができて膨らむ・・・と、聞いていくと、まさに自然科学の1部門「化学」を活かした存在なのです。
安心して食べられるだけでなく、その不思議な現象になる仕組みを学ぶことができる一石二鳥のお菓子「ねるねるねるね」。現在は、ぶどう味とソーダ味の2種類が、主にスーパーやコンビニなどで販売されているので、子どもの好奇心や学習意欲を刺激するために、ぜひ活用してみては。
取材・写真/野村真帆
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