旅館存続のために、全国で広がるサポーター制度

2020.5.11 07:00

「種プロジェクト」には、全国の旅館が参加

(写真2枚)

緊急事態宣言の大幅延長で苦境が続く旅館業界。お気に入りの旅館の「サポーター」となって、宿泊料を前払いして応援する『種プロジェクト』が全国で広がっている。

富山県氷見市で温泉旅館のウェブデザインなどを手がける丹羽尚彦さんが、東日本大震災の復興支援として2011年に始動した同プロジェクト。今回のコロナ禍に見舞われた旅館からのリクエストを受けて、今年4月に復活したところ、全国から参加申し込みが相次ぎ、現在70軒以上、うち9軒が関西から登録している(5月9日時点)。

ホームページ上には旅館が掲載されており、サポーター登録した後に応援メッセージとともに宿泊料を1口5000円から前払いするシステムに。後日届く「サポーター証書」とともに、3年以内に泊まりに行くと、前払い分が宿泊料から減額される。

「3年間はお互いに頑張ろうという思いを込めて期限を決めました。現在は登録作業が追いつかないほど、反響の大きさに驚いています」と丹羽さん。サポーターは1632名、前払いの金額は4800万円を超える勢いで伸び、「コロナに負けないで」「自粛が解けたら真っ先に行きます」と寄せられるメッセージも旅館を元気付けている。

兵庫県赤穂市で「赤穂温泉 潮彩きらら祥吉」「加里屋旅館Q」を営む吉井祥二代表は、「温かい支援を力に何とか日本の温泉・旅館文化を守り、次代へつなげていきたい」と、先が見えない状況のなか同プロジェクトに希望を託す。サポーター及び、参加旅館は公式サイトにて随時募集中。

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