淡路島で感染拡大防止のため、営業自粛やテイクアウト開始

2020.4.6 07:00

美しい自然に囲まれ、関西では気軽なリゾート地として人々が訪れる淡路島

(写真4枚)

新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛ムードが広がるなか、「例年よりも観光客が多いのでは」という声が住民から聞こえてきていた淡路島。3月31日に島内初の感染者が確認されたのを受けて、テイクアウトや通販のみに切り替えたり、休業するなど対策をおこなう個人経営のショップが4月から急増している。

淡路島は自然が豊かで、サイクリングや釣りなどアウトドアなアクティビティが充実し、関西にとっては気軽なリゾート地。東浦エリアにある人気店「食堂カフェ バイオリン」と食堂「鮴mebar(メバル)」(共に淡路市)のオーナーである大倉知映さんは「3月になって急にお客さまが増えて驚いていました。それがどんどん加速すると同時に、国内の感染者も増えて危機感を感じていました」と話す。

そんななかで、4月2日からは店内飲食を中止し、お弁当販売のみに(現時点では、13日まで予定)。「自分が発症するかどうかだけではなく、淡路島は高齢者の方々も多いエリア。周りの人々を守るためにも決断しました。地元の医療従事者の方々をはじめ、『これだけが楽しみ』とお弁当を買いにきてくださるので、こうしてよかったと今は思っています。希望のお声をいただいているので、島内での予約販売と宅配も検討中です」とのこと。

また、4月〜11月に期間限定で営業する「カフェノマド」は当初予定して春のオープンを延期。「ただ、延期や中止するだけではさびしい。家で少しでもリフレッシュしてもらうために、淡路島のおいしいものを届けたい」と、ウェブショップを4月からスタート。島内の農作物やおやつ、淡路島に行った気分になれる言葉や写真を添えた『淡路島に行った気分になれるセット』。第1弾は「森果樹園×ツギキ」とのコラボレーション(予約終了)で、今後もほかの生産者さんや作家さんたちと継続していく予定だ。

ほかにも、「樂登窯 ギャラリー&カフェ」は4月2日から当面の間、実店舗は休業。陶芸家でもある西村昌晃さんは「自粛と同時に、模索期間でもあります。作陶は続けますので、実際に手にすることができなくてもINSTAGRAMなどで丁寧に説明して、ダイレクトメッセージで購入できるようにしようと思っています。また、見るだけで少し気分がやわらぐような、作品の背景にある淡路島のくらしの風景を伝えられるような発信も増やせたら。厳しい局面ですが、新たな時代のはじまりと捉えて、仲間たちと協力し合って持続可能な経済のカタチを表現する時間にしていきたいです」と語る。

ほかにもパーラー「森果樹園×ツギキ」(4月2日から11日まで)といった人気店が休業するなど、春を迎えた観光シーズンだからこそ、住民のことを考えた上で決断をおこなったという。

ただ、お店によってアプローチの方法はさまざま。ただ、どの店主たちも「こんなときだからこそ、自分たちにできることは何か」と考えてお店を運営し、今後もそういったお店が増えていきそうだ。

取材・文/時友真理子

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