横尾忠則の救急病院!?「老い」からくる新たな作品を展開

2020.2.5 07:00
(写真6枚)

※横尾忠則現代美術館は4月7日(火)まで臨時休業です

「横尾忠則現代美術館」(神戸市灘区)で、2月1日からおこなわれる『兵庫県立横尾救急病院展』。この変てこなタイトルの展覧会は、美術家・横尾忠則の肉体と生活・創作の関係を探るものだ。

《突発性難聴になった日》2019年 作家蔵

横尾は頭や心よりも「肉体感覚」に信頼を置いている。また「病気」についても独自の思想を持っており、自身が罹った病気は時に人生の危機を救い、自己の生活や芸術を見直す機会になったという。さらに80歳を超えてからは「老い」の要素も加わった。難聴や視力低下といった肉体の変化が創造行為に与える影響は、現在の横尾にとって重要なテーマである。

《今夜の酒には骨がある》1998年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

本展は、「小児科|記憶装置としての肉体」、「外科|肉体の冒険」など、病院を模した6つの章立てで構成されている。幼少時代の自然体験から生まれた作品、デザイナーから画家に転身し肉体性に目を向け始めた時期の作品、横尾作品にしばしば登場する、目、耳、口などの感覚器官が意味するところ、病床での日記や入院中のスケッチ、老いることで合理性から解き放たれた近年の作品などが並んでおり、新たな視点から横尾ワールドを読み解けるだろう。

現代美術にはコンセプト重視の作品が多く、小難しい理屈を語って利口ぶる奴が偉い的な印象を持たれがちだ。しかし本展を見れば、それが単なる思い込みに過ぎないと分かる。頭ではなく感覚を研ぎ澄ませて、「横尾忠則救急病院」を受診しよう。料金は一般700円、会期は5月10日まで。

文/小吹隆文(美術ライター)

『兵庫県立横尾救急病院展』

期間:2020年2月1日(土)~5月10日(日)※月曜休(2/24・5/4開館、2/25・5/7休館) 
時間:10:00~18:00(金土曜~20:00)※入場は閉館30分前まで 
会場:横尾忠則現代美術館(神戸市灘区原田通3-8-30)
料金:一般700円、大学生550円、70歳以上350円、高校生以下無料
電話:078-855-5607(総合案内)

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