芦屋で、数をテーマにした現代アート展

2019.12.5 06:00

今井祝雄《F氏との1時間》1979年 ゼラチンシルバープリント ©Norio Imai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

(写真4枚)

「数」。それは我々にとって極めて身近なものだが、その本質を深く考える機会は意外と少ない。そんな「数」をテーマにした展覧会が、12月7日より「芦屋市立美術博物館」(兵庫県芦屋市)でおこなわれる。

本展の出展作家は、今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太の4名。今井は1970年代より写真や映像を素材にして「時間」を思考する作品を制作している。久門は空間の特性を読み、音、光、影などの非物質的現象を用いたインスタレーションを制作する。津田は映像の特性に基づいた空間演出と、パフォーマーとの共同作業により制作をおこなっており、中村はその土地の史実や文化を取材し、遺物や造形物などの手がかり通して目には見えない繋がりを顕在化させる。

久門剛史《Pause》2016年 サウンド、スポットライト、電球、木材、アクリル、鏡、アルミ、ジョーゼット、ムーブメント、他 Photo:Tetsuo Ito ※参考画像

また本展では、4名の作家が「芦屋市立美術博物館」の所蔵品から作品を選び、自身の作品と共に展示するのも大きな見どころだ。今井は田中敦子と関根美夫、久門は田中敦子、津田は菅井汲に白髪一雄と村上三郎、中村は長谷川三郎を選出。12月7日の展覧会初日、午後3時から4名によるトークイベントがおこなわれるので、彼らがなぜそれらの作家を選んだのか、また自分の作品のテーマについて語ってくれるだろう。「数」をキーワードにすると、一体どんな美術世界が見えてくるのか。興味がつきない。

文/小吹隆文(美術ライター)

『art trip vol.3 in number, new world / 四海の数』

期間:2019年12月7日(土)~2020年2月9日(日)※月曜休(12/28~1/4休、1/13開館、1/14休館)  
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで) 
会場:芦屋市立美術博物館(兵庫県芦屋市伊勢町12-25)
料金:一般700円、大高生500円、中学生以下無料(12/25、1/13は無料)
電話:0797-38-5432

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