大阪で、ゴダールの映画に着想した展覧会
2019.8.2 8:00

「堂島リバーフォーラム」(大阪市福島区)で2009年からおこなわれている美術展「堂島リバービエンナーレ」。その第5回目となる『堂島リバービエンナーレ2019』が、8月18日までおこなわれている。

ゲルハルト・リヒター《アトラス体系1:2》 2016年 407パネル(809点) オフセットプリント 65×45cm(各パネル)画像一覧

今回キュレーターを務めるのは、2011年の第2回展以来となる飯田高誉さん(スクールデレック芸術社会学研究所所長/国際美術評論家連盟会員)。映画監督ジャン= リュック・ゴダールの最新作『イメージの本』からインスピレーションを得て本展を企画した。出展作家は、ゴダール、ゲルハルト・リヒター、トーマス・ルフ、フィオナ・タン、ダレン・アーモンド、佐藤充、空音央である。

フィオナ・タン《人々の声 東京》 2012年画像一覧

『イメージの本』(会場で上映)は、映画、テキスト、音楽、新撮場面を複雑にコラージュした作品で、過去200年の歴史を振りかえりながら今日の世界と未来を洞察している。そこで重要なのは「アーカイブ」(重要記録を保存・活用し未来に伝えること)という概念だ。

たとえばリヒターの《アトラス体系1:2》は、おびただしい数の写真、新聞の切り抜き、自作スケッチなどで構成された超大作であり、総体を理解するのはほぼ不可能だ。しかしその巨大さゆえ、観客はまるで「歴史」や「世界」に身を浸しているような気分になる。

一方、フィオナ・タンの《人々の声 東京》は個人・家族の歴史を追体験する作品であり、トーマス・ルフの《ニュース・ペーパー・フォト》は、過去の報道写真から目的や文脈を外すと、そこから何が見えるかを問うている。

このように本展は、非常に噛み応えのあるゴリゴリの現代美術展だが、これほどスケールの大きな展覧会はそう滅多にない。時間をかけてじっくり向き合えば、自分の目前に新たな視野が開けてくるだろう。料金は一般1000円。

取材・文/小吹隆文(美術ライター)

「堂島リバービエンナーレ2019 シネマの芸術学-東方に導かれて- ジャン=リュック・ゴダール『イメージの本』に誘われて」

期間:2019年7月27日(土)~8月18日(日)※会期中無休 
時間:11:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで 
会場:堂島リバーフォーラム(大阪市福島区福島1-1-17)
料金:一般1000円、大高生700円、中小生500円
電話:06-6341-0115
URL:http://biennale.dojimariver.com/

  • facebook
  • twitter
  • はてブ