神戸の芸術祭に野外劇、車上で踊り念仏

左から服部孝司(TRANS-KOBE実行委員会委員長)、やなぎみわ、林寿美(TRANS-ディレクター)
現代アーティスト・やなぎみわの演出・美術による、野外劇『日輪の翼』が、9月14日より始まる神戸市の芸術祭『アートプロジェクトKOBE2019:TRANS-』で10月4日より3日間上演される。6月26日に神戸市内で会見がおこなわれた。
2016年から上演されている『日輪の翼』は、和歌山県出身の小説家・中上健次の原作による、7人の老婆と若者が日本各地の聖地をめぐる巡礼劇。それが、日本に1台しかないステージトレーラーを舞台に繰り広げられる。
舞台はトレーラーの壁が跳ね上がり、ケバケバしいネオンが輝くステージ。その舞台上には、役者以外にロックバンド、ポールダンサーやアクロバットも入り乱れる混沌ぶり。毎回、演じる場所の歴史や人々を取り込んで増殖、変容しながらまさに「巡礼」のように各地を巡る。

やなぎの幻想的な写真作品のイメージとはまったく異なるが、彼女にとってこの公演は「ライフワーク」だと言う。「演劇は、写真のような個人作業とは違う。自分のなかで対極のものが並行している感じ」と語る。
神戸公演の会場は、やなぎの生家近くでもある「神戸市中央卸売市場」(神戸市兵庫区)内の埠頭。客席を船上に設け、海と陸とで呼応する劇場空間を構想している。祈りや祭のイメージは薄い神戸だが、恵比寿神が漂着した神話があり、鎌倉時代の遊行僧・一遍が没した地でもある。
今回は演出に一遍の「踊り念仏」も盛り込み、神戸の海、神話、祈りが渾然となった舞台がトレーラーの上に出現する。「森羅万象がひとつになるのが祝祭。それは危ういものでもあって、だから繰り返せない。異なったものが一瞬、邂逅して、また離れていく。そんな場を生み出したい」とやなぎは説明した。『アートプロジェクトKOBE2019:TRANS-』は11月10日までおこなわれる。
取材・文/沢田眉香子
『日輪の翼』
日時:2019年10月4日(金)〜6日(日)・18:00開演
会場:神戸中央卸売市場 本場内 特設会場(神戸市兵庫区中之島1-1-4)
料金:前売=一般4000円、25歳以下2500円、当日=4500円
電話:078–333−3372(神戸市イベント案内・申込センター)
『日輪の翼』
『アートプロジェクトKOBE2019:TRANS-』
期間:2019年9月14日(土)〜11月10日(日)
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