島根の伝統芸能、大阪でなぜ劇場が誕生?

面をつけて舞う「石見神楽」。写真の演目は『大蛇』
島根県の伝統芸能「石見神楽」を上演する常設劇場が4月25日、大阪のJR難波駅(大阪市浪速区)近くにオープン。大阪の石見神楽ファンの手により誕生した施設で、大阪社中として活躍していく。
石見神楽とは、島根県西部の石見地方に受け継がれている伝統芸能。日本神話を題材に、太鼓や笛などのお囃子に合わせて面をつけた演者が豪華な衣裳で舞い、子どもの頃から慣れ親しみ、3世代揃って社中(団体)に属するのも珍しくないという。そして、大阪で館長を務めるのは、母方は島根出身というものの、昨年まで石見神楽の存在を知らなかったという高橋郁夫さんだ。
偶然出合った「石見神楽」の動画に衝撃を受け、「大阪の人に、世界でも通用する芸能のではないか。もっと知ってもらいたい」という熱意だけで突き進み、現地で「石見神楽」の指導者・安藤美文さんをはじめとするスタッフを今秋から大阪に招聘。関西で劇団員を募集し、秋からは毎日特訓を重ねて、総勢26人がパフォーマンスを披露できるまでに成長した。

指導した安藤さんは、「最初、ご依頼いただいたときはうれしかったです。石見神楽がそこまで認められたのかと、夢のような話でした」と話す。初心者の団員たちに感覚やリズムなどを教えるのは大変だったというが、「石見の社中に負けないような存在にしたいと思った。幸いにも演劇出身や、舞台などの経験者が多く、お披露目できるほど上手になりました」と、太鼓判を押す。
団員らは女性も多く、会社員から転身した団員は「現地では女性が須佐之男命(すさのおみこと)を演じることはないのですが、みんなに広めていこうという考えのもと、教えて演じさせくれた安藤さんには感謝しています」と語り、ほかの団員も「初めて触れる人が多かったのに、みんなハマっていきました。型はあるけれども演じる人によって全然印象が違う、可能性の広がりが楽しい」と、話す。
館長の高橋さんは、調剤薬局を運営する「ジョブ・クローバー」(本社:大阪府吹田市)の取締役も務めるが、「これまで、ずっと美術や文化に携わることができればと、世界に伝えたいものをずっと探していました。それが、65歳のときに出合った『石見神楽』。石見地方では、ホテルや、スーパーなどでも気軽におこなわれており、そんなに身近なのに、内容はすごい。ここをきっかけに大阪の人に知ってもらって、島根でも観たいと思ってもらえるようにしたいと思います」と、関西で広めていくために邁進していく。

「石見神楽なにわ館」は現地と同じスタイルとなり、舞台は幅7m、奥行き5mの広さ。巨大な大蛇が舞台をダイナミックにうねって、とぐろを巻く人気の演目「大蛇(おろち)」と、「八幡(はちまん)」か「恵比寿」の計2演目をおこなう。公演時間は14時と17時からの1時間で各回100名限定。料金は3000円。場所は千日前沿いで、JR難波駅から徒歩約5分。
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