攻める京都水族館、ブッ飛んだ企画の数々

「京都水族館」内の「京の海」大水槽
2012年に京都の「梅小路公園」(京都市下京区)内に開業した「京都水族館」。年間を通してさまざまな企画展やイベントで来場者を楽しませているが、そのたびに内容が「斜め上すぎる」「ブッ飛んでる」と話題になっている。現在は「カギノテクラゲ」(先日までニセクロナマコ)にスポットを当てたイベントを開催中だが、来館者がついていけてない様子・・・。この攻めまくる理由について同館を突撃した。
その1:マイナーないきものが主役! 愛が強すぎて伝わらない特別展示が攻めてる

飼育スタッフが溺愛するいきものへの愛と魅力を、グラビア写真やイラストなどさまざまな手法で紹介する『私の愛するいきもの展』が現在開催中。ニセクロナマコ&カギノテクラゲをとことん推しまくるというマニアックすぎる展示で、来館者を困惑させている。
24時間撮影したナマコのタイムラプス映像や、カギノテクラゲに関する100の質問に答える飼育スタッフのムービーなど・・・みんな至って真剣だ。
その2:昼ドラみたい!細かすぎる「ペンギン相関図」が攻めてる

2018年10月に公開された、同館に暮らすペンギン59羽の相関図。「ペンギンにも個性があること、人間と同じように実は複雑な関係があることを知ってほしい」という飼育スタッフの思いから、数カ月かけて夫婦やカップルなどの恋愛事情、親子、兄弟関係がまとめられた。
メスのペンギンと2回破局した「くるま(オス)」が、自身の息子「にじょう」とBL関係にあることや、飼育スタッフの小島さんが「たけ(オス)」に巣箱に誘われ、「うめ(メス)」が小島さんに嫉妬して攻撃をしかけていることなど、人間以上にドロドロとした関係が明らかとなっており、『何時間でも見てられる』と来館者に大ウケだという。
その3:絶対使わない!飼育スタッフの恋愛アドバイスが攻めてる

2018年12月、水族館デートを盛り上げる企画『LOVE SUPPORT PROJECT』にて、飼育スタッフ自ら告白ワードを提案。「絶対あきらめへん。この気持ちは(身体がちぎられても元通りに再生する)イトマキヒトデやから」など、いきもの関連の斜め上すぎるセリフの数々に、SNSでは「絶対使わん(笑)」とツッコミが殺到。
また、来館者からの恋愛相談もスタッフが真剣に回答。「好きな人が卒業してしまったのですが、どうしたらいい?」の質問に、「クマノミという魚は彼女がいなくなると自分が女性になろうとします(性転換)。思い切った切り替えって大事やと思います」と答えるなど、当時は回答用紙を読む人で溢れるという光景が見られた。
その4:まるでホストクラブ!オオサンショウウオぬいぐるみの物販スタッフが攻めてる

同館のミュージアムショップで1番人気というアイテム・オオサンショウウオのぬいぐるみ。このLLサイズ(約90cm・3240円)もしくはXXLサイズ(約170cm・25720円)を購入すると、「オオサンショウウオ、お買い上げありがとうございま〜す!」と物販スタッフ総動員でコールされたとSNSで話題に。
実はこれ、開館初日から続いているという真心サービス。コールされる側の反応はそれぞれで、スタッフ曰く「恥ずかしくて走って帰られる方もいます(笑)」と言うが、話題になった年末年始はLLの売上も増えたとか。スマホを構える人も多く、今や同館の名物となっている。
その5:イワシパフェにカエルスープ! リアル過ぎるメニューが攻めてる

カエルの卵に似たバジルの種を使った「カエルの卵風スープ」やいわしの生姜煮を豪快にのせた「桜といわしのパフェ」など、企画展に合わせてユニークなメニューを提供してきた京都水族館。現在は展示に合わせ、今にも皿の上で動き出しそうなニセクロナマコを再現したスイーツ「偽「ニセクロナマコ」ロール」(480円)が登場している。
毎回、おいしそう&かわいく見えることよりも、対象のいきものを忠実に再現することに重きを置いているという。今回も強烈な見た目と、バナナを使うことでぐにょぐにょとしたナマコの感触をもリアルに再現してしまったが、意外に20代の女子に好評でスタッフ一同驚いているそう。
このような万人受けはしないであろう攻めた企画が多いのはなぜなのか・・・? 企画・広報担当者に尋ねてみた。
「京都水族館」
住所:京都市下京区観喜寺町35-1(梅小路公園内)
営業:10:00~18:00 ※季節により異なる(最終入館は閉館の1時間前)
料金:入場料=大人2050円、大高生1550円、中小生1000円、3歳以上600円
電話:075-354-3130
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