大阪に、明治と現代の「超絶技巧」が集結

2019.1.18 06:00

【木彫】前原冬樹《一刻:皿に秋刀魚》 2014年

(写真6枚)

「あべのハルカス美術館」で1月26日からおこなわれる『驚異の超絶技巧!』展では、約150年の時を超え、明治と現代の作家たちが劇的な共演を果たす。

明治時代の日本では、工芸が外貨獲得の輸出品として奨励された。自然に対する豊かな感受性と、優れた造形センスを持つ日本の工芸。それらは欧米の万国博覧会に出品され、世界を驚嘆させたのだ。しかし肝心の日本ではそのすごさが見過ごされ、近年になってようやく一般にも認知されるようになった。

【牙彫】安藤緑山《パイナップル、バナナ》 清水三年坂美術館蔵

本展では、明治時代の陶磁、七宝、木彫、金工、漆工、牙彫(象牙の彫刻)、自在(動物や昆虫の関節が自在に動く置物)などと、現代作家の作品約140点が見られる。七宝で世界をうならせた並河靖之、高浮彫という立体的な装飾技法を駆使した陶磁の初代宮川香山、野菜や果実などを牙彫で実物そのままに描写した安藤緑山など、明治の作家たちを見れば誰もが驚嘆するだろう。

一方、現代も超細密な装飾で知られる高橋賢悟(金工)や稲崎栄利子(陶磁)など、そうそうたる面々が集結。時代を超えて受け継がれる日本人の美的センスや手先の器用さ。その素晴らしさを実感する絶好の機会だ。期間は4月14日まで、料金は一般1300円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ』

期間:2019年1月26日(土)~4月14日(日)※1/28・2/18・3/4・18休
時間:10:00~20:00(月土日祝は~18:00)※入館は閉館30分前まで
会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
料金:一般1300円、大高生900円、中小生500円(当日)
電話:06-4399-9050

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