地元ガイド語る「熊野古道は総合病院」

2019.1.9 06:00

「熊野本宮大社」へと向かう「熊野古道」中辺路ルート

(写真4枚)

自然信仰の聖地である和歌山県・熊野三山への参詣道として、1000年以上の歴史を持つ「熊野古道」。都から来る人々にとって、その険しさから死者が出るほどだった壮大な旅路も、地元の人々にとっては「病院通い」のようなものだったともいわれている。

「熊野古道」とは、熊野三山である「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」を参拝するまでの道のこと。100度にも渡る上皇の熊野御幸をはじめ、権力者から庶民までが自然信仰の聖地として詣でたが、熊野の山中に住む人々にとっては、病や体の不調を改善するために向かう場所でもあった。

母体と子どもの安全を祈願する、「熊野古道」の「子安地蔵」

その昔、地元の人々が目指したのは、古道の各地に祀られている数々の石仏。「熊野本宮大社」の神域の入口である「発心門王子」近くの「子安地蔵」は、母親と赤ん坊の健康を守るとされ、いわゆる産婦人科・小児科のような役目を果たしてきた。ほかにも道中に歯痛の地蔵や、「水呑王子跡」には腰痛の地蔵などがあり、熊野古道はさながら総合病院のように地元の人々の体調にまつわる願いを聞き入れてきた。

「水呑王子跡」にある2体の地蔵には、腰にある割れ目にさい銭を挟むと腰痛が治るという言い伝えがある

「今のように気軽に医者にかかることもできない時代に、人々が見つけた希望だったのでしょう」。そう話してくれるのは、「熊野本宮語り部の会」に所属する谷口佳子さん。古道の歴史を参拝客に伝える「語り部」は、事前に申し込みすれば個人の参詣にも同行し、偉人たちの足跡、当時の熊野詣での歴史や逸話などを聞かせてくれるという。

熊野詣でによる御利益を描いた「熊野曼荼羅」について説明する語り部

2019年は、「熊野古道」を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて15周年にあたる。そして熊野詣での目的地のひとつ「熊野本宮大社」は、2018年で創建2050年を迎えた。この機会に、歴史重ねる熊野の道を「語り部」とともに歩いてみてはどうだろうか。料金は5000円~(コースにより異なる)。

「熊野本宮語り部の会」

料金:5,000円~(コースによって異なる)
電話:0735-42-0735

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