クイーンジャケットの元ネタ、神戸で展示

2018.12.26 16:00

リトグラフ集『当世風変身譚』では、当時のフランス社会に属するさまざまな人がシニカルな動物に変身している

(写真3枚)

19世紀前半にフランスで諷刺・挿絵画家として活躍したJ・J・グランヴィル(1803~1847)の版画作品を展示する企画展が、「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)の常設展示室で、3月3日までおこなわれている。

グランヴィルといえば、伝説のバンド・クイーンのアルバム『Innuendo(イニュエンドウ・暗示という意)』のジャケットの元絵となったイラストでも知られている。このアルバムは、ボーカルのフレディ・マーキュリー最後の作品となったものである。ジャグラーの手からはずれた星は、アルバムではバナナとして描かれており、そのバナナがアルバムのアートワークのなかにも登場し、まさにフレディ・マーキュリーが亡くなる「暗示」であったとして、ファンの間では話題となっていた。こちらの作品は、グランヴィルの『もうひとつの世界』という挿絵本のなかのひとつとして展示されている。

クイーンのアルバム「Innuendo」(1991年)の元絵となった「Jaggler of Universes(無限の謎)」

動物と人間が変身・合体し、生物と無生物が混交する幻想的な作品は、20世紀のシュルレアリスム絵画を先駆すると評されるグランヴィル。国内有数のグランヴィルのコレクターM氏が所蔵する版画作品約200点が観られる。展示は、時代ごとに大きく3章にわけられ、初期から絶筆までの作風と私生活の変化を追うことができる。料金は一般500円。

取材・文・写真/太田浩子

『県美プレミアムⅢ 小企画「M氏コレクションによるJ・J・グランヴィル」』

期間:2018年11月17日(土)~2019年3月3日(日)※月曜休(祝日は開館)、1/15、2/12、12/31~1/10休館
時間:10:00~18:00(金・土曜は~20:00)
会場:兵庫県立美術館 常設展示室(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)
料金:一般500円、大学生400円、高校生以下無料
電話:078-262-0901

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