ましのみ「普通のことを私なりの角度で」

2018年2月にアルバム『ぺっとぼとリテラシー』でメジャーデビューした女子大生シンガーソングライター・ましのみ。エレクトロ要素の強い情報過多の楽曲と、ピアノ弾き語りで寸劇も挟むライブパフォーマンス、そして、YouTuber顔負けの「ましらっぷ」動画など、キュートなルックスの裏側にひとクセもふたクセも持っている彼女。8月1日に初のシングル『どうせ夏ならバテてみない?』をリリースした彼女に話を訊いた。
写真/上地智
「現実よりスカッとするドラマティックな曲」(ましのみ)
──2016年に、コンテスト『Music Revolution 第10回 東日本ファイナル』グランプリを獲得したことがデビューのきっかけということですが、それまではどんな活動をしていたんですか?
もともと、ただ歌いたかったんです。幼稚園のときから、人前で歌うのが好きで。で、大学受験のタイミングで将来のこととか考えたとき、やっぱり歌手になりたいって。じゃあプロになるには?ということを逆算して、ライブをしよう! それには曲が必要だ、歌を作ろう! みたいな感じでしたね。
──たとえば、歌手が目標であれば、誰かに楽曲を提供してもらうという道もありますが、あえてシンガーソングライターを選んだのは?
カラオケでもいいんですけど、ライブに来てくれるお客さんはお金を払っていただくじゃないですか。「お客さんを最大限楽しませるには?」って考えたときに、オリジナル曲で自分で弾き語りするのがいいなと思ったし、プロでやっていくためには「曲作れた方がいいよ」とお母さんが言っていたことも思い出したりして。それで自分で曲を作り始めました。
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──なるほど。2月発売の1stアルバム『ぺっとぼとリテラシー』で特に印象的だったのが、タイトルなんですね。『プチョヘンザしちゃだめ』、『エゴサーチで幸あれエブリデイ』、『ストイックにデトックス』など、この独特の言語感覚と世界観は世代によるものなんですか?
私は今21歳なんですけど、曲作りで意識しているのは、自分と同世代の女の子の現実からかけ離れすぎないってことですね。なるべくリアルなんだけど、音楽として聴いていて気持ちいいくらいの、現実よりスカッとするドラマティックな曲というか。

──言葉にならない同世代の感情を歌にしている、という感じですか。
そうですね。普通に生活をしてたら、楽しい、うれしい、悲しい、って感情は誰にでもあると思うんですけど、それをわざわざ突き詰めて考えたりしないですよね。私もそうでしたし。でも、楽曲にするために言語化していくなかで、そのモヤモヤの原因に気づいていく。同じようにモヤモヤしている人が私の曲を聴いて、「あ、そういうことだったんだ」って分かると、気分が楽になることってあるじゃないですか。という面もありますね。
──ツイッターのプロフィールには、「根暗でも聴けるリアルなPOP」とありますね。
もともと根は暗いんですけど、みんなといるときは明るいし、人を楽しませることが昔から大好きだったんですね。ライブも決して演じているわけではないし。根暗というのは、ひとりでいるときに、楽観的に捉えられない性格ということですかね? なんでも考え込んじゃうし、どこまでも落ち込んじゃう。そうなると、私みたいなタイプは暗い曲ばっかり聴いちゃう。楽観的思考に対して、ワーってなっちゃうんですよ。
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