地下アイドルに迫る、就職という名の岐路

2018.8.15 18:00

就職かアイドル活動か悩む、「てら*ぱるむす」の文殊たま

(写真4枚)

「いずれ両立は厳しくなりそう」(文殊)

──もし関東で就職となると、関西でのアイドル活動はそこで終了になるんですか。

葛藤しています。正直な気持ちといたしまして、アイドル活動は続けたいのですが、しかし写真の仕事への憧れが強い。やりたいことをちゃんとやりたいんです。もし、関東での就職が叶ってアイドルを辞めて還俗(出家した者が再び俗人に戻ること)になっても、後悔はない。もちろん、アイドルを続けるという選択をしても然りで。

──確かにすごく悩みどころではありますよね。関西でカメラマンの仕事に就くことができれば、そのままアイドル活動を続けるのかとか。そもそも、カメラマンの夢が叶わなかったらどうなるのか、とか。

必ず、選択しなければいけない日が来ます。結果的にアイドルを続けることになっても、それは決して妥協であるとか、挫折した上での逃げではないことは理解していただきたいです。関東では距離的に「てら*ぱるむす」の活動は不可能になってきますが、関西ならまだそれは可能ですので。あと、私は阿弥陀様の司令のもとで活動をしているので、「てら*ぱるむす」以外でのアイドル活動は成立しません。

──でも、アイドルは決して就職先ではないということですよね。

私はそう思っちゃいます。もちろん仕事と言い切る人もいますし、私自身も仕事意識は持って活動しています。しかし、「アイドルは就職先であるか」と問われたら、それは違うと考えます。カメラマンとアイドル、どちらかひとつを・・・となれば、将来的なことや現実を考えると、優先するものは絞られてきます。

「てら*ぱるむす」のメンバー、左から勢崎至恩、観咲千世乃、文殊たま

──「てら*ぱるむす」のメンバー間でもそういう話はしますか?

全員、お浄土からやって来ているので、人間界で暮らす限りどうやって生きていくか、それぞれ思うところはあるでしょうし、グループ内で話もします。人間界で必要なことは、食べる、寝ることなどの衣食住。人間として生きるなら、それをどうするべきか。アイドルって可愛くなるために努力するし、お金もかけなくてはいけない。ライブなどに行くための交通費もかかります。みなさんが思っている以上に大変。仕事をしていても、活動費でどんどん消えていく。

──でも会社によっては、そういった活動を怪訝に思うところもありますよね。

面談のときに、言ってしまうかもしれません。「アイドルをやっている」と。アイドルへの偏見を持つ人も必ずいますし、カメラマンの仕事は時間もキツキツになるし、いずれ両立は厳しくなりそうですね。どちらかをやるなら、どちらかができなくなる。それを、今の段階から意識しておかなければいけない。

浄土系アイドル「てら*ぱるむす」のライブの様子

──リミットは確実に近づいて来ていますよね。もし、この数カ月で、「てら*ぱるむす」が爆発的に売れたらどうですか。

難しいですが、それでも仕事(カメラマン)を取るかもしれません。でも先日、とある関西の地下アイドルを対象とした人気投票イベントにエントリーをして、中間発表でベスト10に入りながら、結果的に圏外となって悔しい思いをしたんです。私は、ファンの方がお金を落とさなければいけないコンテストが本当に嫌いでした。だからこそ、やるからには負けたくなかった。でも負けたということは、お寺や仏教のことをちゃんと広められなかったということ。そのとき、もっとアイドルを続けたいと一瞬思えたんです。こんなところで終わりたくないって。

──多くのアイドルは、そういう悩みに結論を出して、人生を歩んでいくのですね。

両立している方はたくさんいますが、私はいつかはっきり答えを出すつもりです。その結論が、私が歩むべき道です。

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