一命救った男性に、神戸市が花時計賞

2018.6.8 18:00

的確な救命措置で男性の命を救った今井祐司さん(右)と神戸市兵庫消防署の奥村芳彦所長(7日・神戸市内)

(写真2枚)

兵庫区内の飲食店にて食事中に喉を詰まらせ意識不明になった男性を、的確な救護行動により救助した今井祐司さん(29才)に対し、神戸市が「花時計賞」を贈呈。「しあわせの村」(神戸市北区)で7日、その記念品と表彰状が授与された。

今井さんは、「しあわせの村 温泉健康センター」を管理運営している「ウエルネスサプライ」の職員。当時、今井さんはプライベートで食事をしていたが、後ろの席で前のめりに倒れた男性に気づいたという。

「最初は驚きましたが、すぐに頭を切り替えて救急車を呼び、体位を変えて意識や呼吸などを確認して蘇生を始めました。その後、救急隊の方が到着し、引継ぎをおこないました」と今井さん。

人形で常日頃から救命措置の訓練をしている今井祐司さん(7日・神戸市内)

1日400人以上訪れる温浴施設で、日常的に具合が悪くなる利用者のケアにつとめ、多いときで1日4回救急車を呼ぶこともあるという今井さん。そのため、同施設では職員がいつでも救命措置ができるよう、出勤日数の半分は救急措置の訓練をおこない、2カ月に1回テストを実施。今井さんはいつも満点だという。

兵庫消防署の奥村芳彦所長は、「のど詰めで意識が飛び、脳の酸素不足が5分続くとほとんど障害が残る。しかし、蘇生によって肺に残っていた空気が酸素として脳に送られたため、翌日に軽快退院できたのは、今井さんの勇気ある行動があったからこそ」と感謝を述べた。「花時計賞」は、神戸市民の日常生活における身近な善行などに対し、市長が表彰している。

取材・文・写真/岡田由佳子

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