江戸のなぞなぞ・判じ絵を京都で楽しむ
2018.6.9 07:00
(写真3枚)
江戸時代の浮世絵の一種「判じ絵」。これは、絵を判じて(解く、推理する)答えを導き出すなぞなぞ遊びです。そんな判じ絵を集めた珍しい展覧会が、6月9日から「細見美術館」(京都市左京区)で始まります。
判じ絵とはたとえば、猿の絵に濁点を付けて「ザル」、ガマカエルが茶をたてているから「茶釜」、子守の女性が赤ん坊の代わりに矢を背負っているから「ヤモリ」といった具合。なんとも素朴でほのぼのとしたセンスがいいですね。起源は平安時代の言葉遊びとも言われますが、庶民の娯楽となったのは江戸時代になってから。
そのテーマは、地名、役者や力士の名前、動植物、勝手道具、子どもの遊びなどさまざまで、庶民の娯楽として幅広く浸透していました。当時の日本は世界でも突出して識字率が高い国でしたが、イメージと言葉を結び付ける遊びが流行っていることからも、人々の知性の高さや豊かなユーモア感覚がうかがえます。
本展では、作品を多数所蔵している「蛇足庵」のコレクションから、選りすぐりの作品約100点を紹介します。いずれも当時の絵師たちが趣向を凝らして制作したもので、江戸時代のユーモア感覚、遊び心がいっぱい詰まっています。頭をフル回転させて難問・珍問を解きながら絵となぞなぞを楽しんでください。期間は8月19日まで、料金は一般1300円。
文/小吹隆文(美術ライター)
『蛇足庵コレクション 江戸のなぞなぞ-判じ絵-』
期間:2018年6月9日(土)~8月19日(日)※月曜休(7/16開館、17(火)休館
時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで
会場:細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
料金:一般1300円、学生1000円
電話:075-752-5555
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