関西地下アイドル、出川哲朗と異例コラボ

りりかる*ことぱぉ(左)とSuzu(右)からなるアイドルユニット・AH(嗚呼)
「アイドルはなぜ地下で夢を見るのか」をテーマに、大阪を拠点とする地下アイドルについて不定期で特集しているこの連載。第5弾となる今回は、地下アイドルでありながら、人気タレント・出川哲朗とのコラボを実現させた、AH(嗚呼)というユニットをクローズアップする。
取材・文/田辺ユウキ
「私の実家・宝船温泉にアポなしで来られて」(りりかる*ことぱぉ)
前回記事では、企業や大人がバックアップするグループのプロデューサーにインタビューし、昨今頻発する運営による事件・問題と照らし合わせていったが、AH(嗚呼)はそういったスタッフのサポートを受けない、いわゆるセルフ・プロデュースのアイドルである。
AH(嗚呼)は、楽曲制作、振付、グッズ制作、流通手続きなど、すべて自分たちでおこなうほか、メンバーの「りりかる*ことぱぉ」は温泉旅館の若女将として、もうひとりのメンバー「Suzu」は介護施設管理者として勤務していることを明言している。そういった背景に加え、ライブの予約をしてくれた観客への特典として、近江牛の燻製(もちろん調理、パッケージングまで自作)をプレゼントするなど、奇抜なアイデアで地下アイドル界ではたびたび話題となっている。
そんな地下アイドルのAH(嗚呼)の楽曲『KYOTO TOWN NIGHT FEVER』のミュージックビデオ(MV)に、出川哲朗がなぜ出演したのか。りりかる*ことぱぉに、その経緯も含めながら、セルフ・プロデュースでの活動について話を訊いた。

──まず、出川さんがMVに出演した経緯を教えてもらえますか。
出川さんが出演されている『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京)という番組のロケで、私の実家でもある「宝船温泉」(滋賀県高島市)にアポなしで来られたんです。ちょうどそのとき私は、Suzuと一緒にAH(嗚呼)のミュージックビデオの撮影のため、近くのコンサートホールにいたのですが、宿から「テレビの取材が来ていて、若女将に会いたいそうなので帰って来て」と連絡があって。そこで玄関を開けたら、出川さんがいらっしゃったんです。
──でもそのときは、女将の服装じゃないですよね。
MV撮影の衣装だったので、出川さんも、「え、若女将じゃないじゃん。ギャルじゃん! なに、その格好は?」とびっくりされて。そこで、自分はアイドルもやっていて、ちょうどMVの撮影中だと説明したら、「連れて行ってよ、出る!」と言ってくださったんです。当然「ギャラは出ませんよ!」という話になったのですが、「そんなのは要りませんよ! 旅館の大女将にお世話になったから」とおっしゃっていただいて(※その模様は、同番組にて5月19日にオンエア予定)。
──そのあとのテレビ局とのやり取りなどは、ことぱぉさんがやっていらっしゃるんですよね。普通は、運営やプロデューサーがやる作業を。
そうです、全部自分たちでやっていますね。
──撮影で使ったコンサートホールも自分たちで交渉したんですか。
はい。その楽曲にはピアノが入っているので、どうしてもグランドピアノを映したかった。でも、大阪だとそういったホールはめちゃくちゃ高いんです。そこで、私が小さい頃からピアノの発表会やコンテストで利用していた、市が運営するホールにお願いをしに行きました。

──出川さんとの出会いは偶然が重なったものではありますが、でも単にその一言だけで片付けられない気がするんです。一流の芸能人の方が出演するに値する環境がそこにはあったわけで。そういうものを、以前から自分たちだけで、イチから積み上げていた。そのひとつの成果だと思います。
ありがとうございます。結成当初は、ソロ時代に所属していた事務所の、とあるオジサンがプロデュースをしてくださっていました。ただソロのとき、「全国流通した際に使うプール金」という名目で毎月数万円を支払っていました。それからAH(嗚呼)の結成の話が持ち上がったんです。だけど、待てど暮らせど一向にデビューの話が進まず、そのあとも「痩せたら曲を作ってあげる」と言われたりして。そんなことばかりで期待もできないから「辞めます」と伝えたら、「何も始まってないうちから契約どうこう言われるのは、しんどい」と怒られ、「AH(嗚呼)は必ずやります。初ライブも決めたから」と押し切られました。
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