駄菓子のオリオン「パロディはやめない」

2018.5.8 17:00

携帯電話型の「CoDoMo」や「シャレデッセン」など数々のパロディ商品を紹介。あくまで別のジャンルで勝負するのがパロディーをする上での礼儀と話す(中央が高岡五郎常務取締役)

(写真5枚)

「ココアシガレット」「ミニコーラ」などで知られる、元祖パロディ駄菓子メーカー「オリオン」(本社:大阪市淀川区)。数々のユニーク商品が生み出された背景やその反響などを、同社の高岡五郎常務取締役らオリオン社員が赤裸々に語るトークイベントが5日、「ロフトプラスワンウエスト」(大阪市中央区)で開催された。

1957年に創業。「楽しくなくてはお菓子じゃない」をモットーに、「大手メーカーのお菓子には到底敵うことがないので、なにか特徴を持ったものを作らないといけない。楽しいお菓子を作っていればいつか売れると、今までやってきました」と話した高岡常務。20〜30円という子どもが買える金額を守るため、中身はラムネやチョコのまま、形状・パッケージに工夫を凝らしてきたという。

ココアシガレットやミニコーラなど、オリオン商品が15種入った「オリオンのおかしばこ」(648円・公式サイト等で購入可)
ココアシガレットやミニコーラなど、オリオン商品が15種入った「オリオンのおかしばこ」(648円・公式サイト等で購入可)

たばこを連想させるパッケージのラムネ菓子「ココアシガレット」(1951年)や、大人向きの飲み物だったコーラをモチーフにしたラムネ菓子「ミニコーラ」(1978年)などの商品が、当時背伸びしてみたい子ども心をガッチリ摑み、大ヒット。加えて「写ルンです」ならぬ使い捨てカメラ型の「食べルンです」など、絶妙なネーミングのパロディ商品の数々を生み出してきた。

イベントでは、アメリカの世界的メーカーから告発されるも奇跡的に勝訴したという裁判話をはじめ、パロディ商品にまつわる各メーカーとの闘争秘話を貴重な資料とともに紹介。「ネットには書かないでください」と念押しながら、すべてを話すギリギリトークで大盛り上がりに。

トークショーのあとは、食玩やボブドッグのぬいぐるみなどレア商品が当たる、大奮発の抽選会が開催された
トークショーのあとは、食玩やボブドッグのぬいぐるみなどレア商品が当たる、大奮発の抽選会が開催された

「思いついたら、とりあえず作る」「うちにマネされるような商品を作っている企業は大きく発展する」と断言し、苦情にめげない商人魂(ココアシガレットも2011年からは禁煙応援グッズに転換)と、「見て楽しい、もらってうれしい、食べておいしい、また欲しいの『4つのC』」を原点に、子どもたちの笑顔のために商品を作り続けるという関西人ならではの「おもしろがり」を貫くオリオン。

高岡常務は「今後もパロディをやめるつもりはなく、これからも続けていく」と宣言。大人な事情が絡みまくった同社の奮闘劇大公開サービスに、会場は終始笑いに包まれた。

現在、オリオンをはじめ、フエラムネの「コリス」、プチシリーズの「チーリン製菓」、キャラクターとのコラボ製品を多く扱う「トップ製菓」、都こんぶの「中野物産」、パインアメの「パイン」といった大阪の製菓メーカーによる「駄菓子アイドル」企画が始動(メンバー募集中)するなど、大阪で駄菓子が盛り上がりを見せている。

オリオン株式会社

「駄菓子で世界を笑顔にするアイドル『da-gashi☆』第1期メンバー募集」
応募期間:2018年5月1日(火)~6月10日(日)

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