京都で、虎屋と木版画工房のコラボ展

2018.4.27 08:00

虎屋が所蔵する木版。竹笹堂の摺師によって、木版画としてよみがえった

(写真9枚)

和菓子の老舗「虎屋」が、明治24年創業の木版画工房の「竹中木版 竹笹堂」(京都市下京区)の協力で企画展を開催。喫茶「虎屋菓寮 京都一条店」(京都市上京区)で、木版画とお菓子、その歴史が同時に楽しめる。

かつて掛紙やお菓子のラベルなどに木版画を使っていたという「虎屋」。今回の『竹に虎 見てたのし、使ってよろしい商業版画』展について、京都管理部文化事業課の相田文三さんは「木版画は美術品というイメージがありますが、商業印刷として注目してみようと企画しました」と、話す。

会場では「虎屋」が所蔵する版木から再現した版画、大正時代に四条に出店していた茶菓舗「虎屋」のお品書きなどを紹介。さらに「竹笹堂」の仕事道具、商業印刷として製作した掛紙、うちわなども展示し、風合いを生かしたデザインのおもしろさ、お菓子の歩みが、木版画を通じて伝わってくる内容に。

季節の生菓子を木版画に。きんとん製の「多胡の浦」は、飲み物付きで1,242円。一枚ずつ手摺りしたポストカード1枚378円
季節の生菓子を木版画に。きんとん製の「多胡の浦」は、飲み物付きで1,242円。一枚ずつ手摺りしたポストカード1枚378円

今回の企画は、「竹中木版 竹笹堂」の摺師・森愛鐘さんと「虎屋」が、昨年に同会場の展示会で縁ができたことから実現。森さんが「虎屋」の蔵に保存されていた版木から版画を再現し、季節の生菓子を題材とした新作も制作した。

新作は3~4版の色を重ね、饅頭に押された焼印のぼかしまで、摺師の手腕で表現されて、印刷では出せない、あたたかな風合いに。こちらは期間限定で「虎屋菓寮」のメニューに使用されており、木版画と同じお菓子をいただくことができる。料金はお茶とセットで1242円~、また木版画のポストカードは1枚378円で販売。

「虎屋」のさまざまなお菓子をモチーフに、「竹笹堂」がデザインした掛紙(右下)。期間中、虎屋一条店でのみ、申し出ればこちらをかけてもらえる
「虎屋」のさまざまなお菓子をモチーフに、「竹笹堂」がデザインした掛紙(右下)。期間中、虎屋一条店でのみ、申し出ればこちらをかけてもらえる

企画展は5月20日まで、入場は無料。期間中は、近隣の「虎屋 一条店」では限定商品の販売や、「竹笹堂」デザインの掛紙をかけてもらうことができるのでお声がけを。

取材/宮下亜紀

『竹に虎 見てたのし、使ってよろしい商業版画』展

期間:2018年4月21日(土)〜5月20日(日)
時間:10:00〜17:00
会場:虎屋菓寮 京都一条店 虎屋 京都ギャラリー(京都市上京区一条通烏丸西入ル広橋殿町400)
料金:入場無料
電話:075-431-4736

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