京都の春を彩る国際写真祭、スタート
京都市内の歴史的建築物や美術館などを舞台に開催される『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018』。2013年に始まり、今やすっかり春恒例のイベントとなったこの写真祭が、今年も華やかにおこなわれています(5月13日まで)。
今年も見応えのある企画がそろっており、ファッション写真では2人の巨匠、ジャン=ポール・グード(京都文化博物館 別館)とフランク・ホーヴァット(嶋臺ギャラリー)の大規模な個展が見られます。特にジャン=ポール・グードの個展は、写真のほか、映像、オブジェ、パフォーマンスを融合しており、今年の『KYOTOGRAPHIE』の華とも言える豪華さです。
ジャーナリスティックな作品では、世界各地の水害の現場を取材したギデオン・メンデル(三三九 旧貯氷庫)と、富裕層の虚栄に満ちた日常を捉えたローレン・グリーンフィールド(京都新聞ビル 印刷工場跡 B1)をおすすめします。どちらも作品に力があり、会場の特異性も相まって観客を圧倒します。ジャーナリスティックな作品はほかにも優品が多いので、会場を巡りながらそれぞれの問題について考えてみましょう。
純粋に美的なアート作品では、中川幸夫(両足院 建仁寺内)が秀逸です。彼は前衛的な作風で知られる華道家ですが、自分がいけた花を写真作品として残しました。本展ではそれらの一部を畳の間で展示しています。真っ黒な畳を敷き詰めたシックな演出、美しい日本庭園との対比が素晴らしく、空間全体が静謐な美に包まれています。
展覧会の総数は15(アソシエイテッド・プログラムを入れると19)。1日で全部を見るのはむずかしいかもしれませんが、2、3度に分ければ問題ないでしょう。その際、自転車(レンタサイクル)の利用を考える人がいるかと思いますが、幾つかの会場は駐輪場所に困るかもしれません。筆者は地下鉄&バスの一日乗車券(900円)をおすすめします。また会場のうち「三三九 旧貯氷庫」と、ほか2会場は「京都市中央卸売市場」(京都市下京区)に隣接しており、経路が複雑で道に迷うかもしれません。事前に地図の確認を。また所在地が掲載されている「丹波口エリアマップ」は、「NTT西日本三条コラボレーションプラザ」(京都市中京区)のインフォメーションで手に入ります。
取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)
『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018』
期間:2018年4月14日(土)~5月13日(日)※時間、定休日は会場ごとに異なる
会場:ASPHODEL、両足院(建仁寺内)、三三九 旧貯氷庫・旧氷工場、ほか13会場
料金:パスポート一般4000円、大高生・専門学生3000円 ※会期中有効、全会場に各1回のみ入場可能(アソシエイテッドプログラムを除く)1DAYパスポート一般3000円、大高生・専門学生2000円 ※各パスポートを購入しない場合、各会場ごとに入場料が必要(一部無料の会場あり)
電話:075-708-7108(KYOTOGRAPHIE事務局)
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