上方落語だけのハメモノ、その魅力とは

2017.11.17 07:00

落語の進行に合わせて、さまざまな音を流す三味線

(写真2枚)

連続テレビ小説『わろてんか』で、松坂桃李演じる藤吉が寄席の舞台裏で叩く太鼓や鉦。それら「ハメモノ」と呼ばれる鳴り物をネタ中に取り入れるのが、上方落語の最たる特徴と言われている。そのハメモノに特化した落語会が12月7日、「大阪倶楽部ホール」(大阪市中央区)で開催。出演者の落語家・桂佐ん吉と女道楽師・内海英華が、その魅力について解説した。

お花見や酒宴などの賑やかな場面では陽気で華やかに、夕暮れ時や深夜などはうら寂しい情景を効果的に演出するハメモノ。三味線以外の打楽器は、主に若手落語家が担当するが、自らも若かりし時代に経験してきた佐ん吉は、「地方公演など米朝師匠の高座で叩くときは、めちゃくちゃ緊張しました。太鼓や鉦はごまかしがきくのですが、ボーンと一音叩く銅鑼が一番難しい。強すぎても弱すぎてもダメで」と振り返る。

本来は舞台の裏で演奏するハメモノ。本公演では、「太鼓や鉦、三味線の紹介をして、裏で演奏している風景を実際に見ていただきます。『七度狐』では噺のなかでハメモノがどういうふうに入るか見てもらうほか、いろんな仕掛けも取り入れていこうと思います。音が入ると効果的ですし、賑やかになります。少々落語が下手でもハメモノで助けてもらえますし(笑)」と佐ん吉。

大阪文化の次代の担い手に贈られる平成28年度「咲くやこの花賞」を受賞した桂佐ん吉
大阪文化の次代の担い手に贈られる平成28年度「咲くやこの花賞」を受賞した桂佐ん吉

三味線や寄席芸の1つ「女道楽」で出演する内海は、「三味線も演目の内容によって弾き方を工夫しています」と話す。そんな内海からも日々指導を受けているという佐ん吉は、「大阪倶楽部という歴史ある会場でやらせてもらえてありがたいです。上方落語にしかないハメモノで、大阪らしさをアピールしたいと思います」と意気込む。チケットは各プレイガイドで発売中。

取材・文・写真/岩本和子

『桂佐ん吉 ハメモノと落語の世界』

日時:2017年12月7日(木)・19:00〜
会場:大阪倶楽部ホール(大阪市中央区今橋4-4-11)
料金:前売2500円、当日3000円(全席指定)
電話:06-6372-6707

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