上方落語を英語で、4月にアメリカ公演

2017.3.17 18:00

英語による寄席公演は2007年にアメリカ・ブロードウェイで好評を博した「ニューヨーク繁昌亭」が最初。左から本公演に参加する桂かい枝、桂あさ吉、ラッキー舞、勝正子

(写真2枚)

英語落語で活躍する上方落語家の桂かい枝らが、4月8日と9日にアメリカのサンフランシスコとラスベガスで全編英語による寄席公演を開催。大阪市とサンフランシスコの姉妹都市60周年の記念イベントで『サンフランシスコ繁昌亭』と銘打ち、大阪の「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)同様の寄席の舞台を披露する。

出演するのは英語落語歴20年の桂かい枝と桂あさ吉、太神楽曲芸のラッキー舞、寄席三味線の勝正子、カナダ人落語家の桂福龍。劇場や大学などで6公演を予定し、英語落語を中心に落語解説やお囃子紹介、寄席の踊り、曲芸と多彩なプログラムのすべてを英語で届ける。かい枝は「寄席は落語に色物も入り、言葉だけじゃなく音や踊りや曲芸など違うアプローチでも楽しんでもらえる。その流れがハマるとお客さんは退屈せず、落語もひきたって個々の芸が光る。それが寄席のすごいパワー」と語った。

左から、桂あさ吉、桂かい枝。二人で滑稽味のある寄席の踊り「戸板返し」も披露する
左から、桂あさ吉、桂かい枝。二人で滑稽味のある寄席の踊り「戸板返し」も披露する

英語落語のパイオニアといえば故・桂枝雀が知られるが、かい枝とあさ吉は、その英語指導とプロデュースをした英会話学校の先生からノウハウを継承する。特にかい枝は1998年から英語落語で海外に進出し、これまでに24カ国で公演。その第一人者として中学・高校の英語教科書にも載るほどだ。「日本の伝統芸能で歌舞伎や文楽、能・狂言は海外で紹介されて知る人も多いが、落語はまだまだ知られていない。これをきっかけに『RAKUGO』が広く世界に知られるようになれば」と期待を寄せる。

取材・文・写真/やまだりよこ

『サンフランシスコ繁昌亭』

桂かい枝

『サンフランシスコ繁昌亭』

桂あさ吉

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