クラシックな絵本と挿絵、滋賀で展覧会

2017.2.2 08:00

ウォルター・クレイン(絵)『美女と野獣』 1874年

(写真3枚)

19世紀後半に英国で活躍し、現代の絵本の基礎を築き上げたウォルター・クレイン(1845〜1915)。彼の画業を展観する日本初の展覧会『絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事』が、2月4日より「滋賀県立近代美術館」(滋賀県大津市)でおこなわれます。

クレインは13歳で木工木版画の工房に入り、デッサンの基礎を学びました。その後、彫版師・刷師のエドマンド・エヴァンズに才能を見出され、彼と2人でオールカラーのトイブック(8〜12ページの簡易な絵本)を出版して大成功を収めます。1877年以降はトイブックから身を引きますが、子ども向け・大人向けの挿絵、壁紙、テキスタイル、室内装飾などで活躍。アーツ・アンド・クラフツ運動、社会主義活動にも関わりました。本展では、彼のほぼすべての絵本と主要な挿絵本を網羅する約140点の作品を展観。同時代に活躍した画家グリーナウェイとコールデットの作品約40点も展示され、19世紀後半の英国で花開いた挿絵本の世界を堪能できます。

ウォルター・クレイン(絵)『幼子のオペラ』より「桑の木をまわろう」1877年 中央大学図書館
ウォルター・クレイン(絵)『幼子のオペラ』より「桑の木をまわろう」1877年 中央大学図書館

なお、会場の滋賀県立近代美術館は改修・増築工事のため、4月1日より長期休館に入ります(リニューアルオープンは2020年3月の予定)。現在の姿を目に焼き付けたい人は、ぜひ本展にお出かけください。期間は3月26日まで、一般1000円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事』

期間:2017年2月4日(土)〜3月26日(日) 
時間:9:30〜17:00 ※入館は16:30まで 月曜休 ※3/20開館、3/21休館 
会場:滋賀県立近代美術館(大津市瀬田南大萱町1740-1)
料金:前売/一般800円、大高生500円、中小生350円 当日/一般1000円、大高生650円、中小生450円
電話:077-543-2111
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

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