京都で ロベール・クートラスの展覧会

2016.12.15 15:03

ロベール・クートラス《僕のご先祖さま》1977年 グアッシュ、紙 52.5×37.5cm 個人蔵 撮影:片村文人

(写真2枚)

「アサヒビール大山崎山荘美術館」(京都府大山崎町)で、フランス・パリ生まれの画家、ロベール・クートラス(1930〜1985)の展覧会が、12月17日から開催されます。

彼は「現代のユトリロ」、「第2のベルナール・ビュッフェ」として華々しく売り出されましたが、流行に左右される美術界に嫌気がさし、画廊から離れて活動する道を選択。経済的に困窮しながら制作を続けました。没後30年の昨年、フランスや日本で彼の回顧展が催され、再評価の気運が高まっています。本展もその流れの一環と言えるでしょう。

ロベール・クートラス《僕の夜のコンポジション 24-b》1973年 油彩、紙 各12×6cm 個人蔵 撮影:片村文人
ロベール・クートラス《僕の夜のコンポジション 24-b》1973年 油彩、紙 各12×6cm 個人蔵 撮影:片村文人

クートラスが生涯をかけて描いたのは、小さな紙片に独自の神話的なイメージや抽象的な模様を描いたカルト(カード)で、その数は約6000点にも及びます。また、グアッシュ(水溶性不透明絵具)や油彩の絵画、自宅のダルマストーブで焼成したテラコッタ(素焼の彫刻)も制作しました。

「ロベール・クートラス 僕は小さな黄金の手を探す」と題した本展では、代表作のほか、初期の油彩画、彼が死ぬまで手もとに残していた未公開作品、制作の裏側が伝わる関連資料などで構成。日本の美術ファンに、その味わい深い世界を紹介します。2017年3月12日まで、一般900円。

文/小吹隆文(美術ライター)

開館20周年記念『ロベール・クートラス 僕は小さな黄金の手を探す』

日時:前期2016年12月17日(土)〜2017年1月29日(日)後期2017年1月31日(火)〜3月12日(日)10:00〜17:00 ※入館は16:30まで 月曜休&12/26〜1/3休 ※1/9開館、1/10休館
会場:アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3)
料金:一般900円、大高生500円、中学生以下無料
電話:075-957-3123(総合案内)
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

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