小吹隆文撰・週末アート、10/26〜
2016.10.26 16:00

小吹隆文撰・週末アート、10/26〜

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、滋賀県の美術館で開催中の展覧会をご紹介。きらびやかなインドの宝石、彦根の湖東焼、県内の仏教・神道美術をドライブがてら巡ってみてください。

究極の輝きを放つインド・ジュエリー
『ムガール皇帝とマハラジャの宝石  カタール・アル サーニ・コレクション』
@MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市)

カタールのシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アル・サーニ殿下が蒐集された宝石コレクションから、世界最大のカット・ブルーダイヤモンド「アイドルズ・アイ」をはじめとするインド宝石の名品181点が、滋賀・信楽の「MIHO MUSEUM」で展示されています。

ハイデラバード君主のネックレス 1850-1875年 高:26cm 幅:19.6cm ダイヤモンド、エメラルド、金 The Al-Thani Collection © Servette Overseas Ltd. All rights reserved. Photographs taken by Prudence Cuming Associates Ltd.
ハイデラバード君主のネックレス 1850-1875年 高:26cm 幅:19.6cm ダイヤモンド、エメラルド、金 The Al-Thani Collection © Servette Overseas Ltd. All rights reserved. Photographs taken by Prudence Cuming Associates Ltd.画像一覧

インドは豊かに宝石を産出する国で、16世紀に始まるムガール帝国の歴代皇帝や、その後各地を統治したマハラジャたちは、華麗な調度品や装身具で身の回りをきらびやかに彩りました。本展で見られるのはその精華ともいうべき逸品です。なお「MIHO MUSEUM」では、館所蔵の尾形乾山作品を紹介する「美し(うまし うるはし) 乾山 四季彩菜」も同時開催。インド宝石と日本陶芸の名品を同時に楽しめます。

2016年10月1日(土)〜12月11日(日)
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今も熱心なファンを持つ彦根のやきもの
『珠玉の湖東焼』
@滋賀県立陶芸の森  陶芸館(滋賀県甲賀市)

江戸時代後期に彦根城下で花開いたやきもの「湖東焼」。その全貌を紹介する展覧会が信楽で開催されています。

湖東焼・鳴鳳(めいほう)絵付け「赤絵金彩春夜宴桃李園序鉢(あかえきんさい しゅんやとうりえんにうたげすのじょ はち)」(見込み) 江戸時代後期(19世紀前半) 個人蔵 高7.6×口径16.6cm
湖東焼・鳴鳳(めいほう)絵付け「赤絵金彩春夜宴桃李園序鉢(あかえきんさい しゅんやとうりえんにうたげすのじょ はち)」(見込み) 江戸時代後期(19世紀前半) 個人蔵 高7.6×口径16.6cm画像一覧

文政12年(1869)に、商人・絹屋半兵衛らにより開窯した湖東焼は、12代藩主・井伊直亮の時代に藩へ召し上げとなり、茶人大名としても知られる13代藩主・井伊直弼の頃に黄金期を迎えます。しかし、幕末の井伊直弼の死や、その後の廃藩置県などにより衰退、明治28年(1895)に廃窯となりました。高級品生産を目指して、瀬戸、九谷、京焼から陶工を招いた湖東焼は、繊細優美な作風が持ち味。磁器を中心に、染付、赤絵金彩、青磁、色絵、金襴手など多彩な品が作られました。本展ではそれらの名品約150点を、6章構成で展示しています。

2016年10月1日(土)〜11月6日(日)/11月8日(火)〜12月11日(日)
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時空を超えて受け継がれる美の系譜
『つながる美・引き継ぐ心ー 琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館ー』
@滋賀県立近代美術館(滋賀県大津市)

かつて滋賀県大津市の琵琶湖畔にあった「琵琶湖文化館」。昭和36年(1961)に開館した同館は、県内の寺社から寄託された全国有数の仏教・神道美術コレクションなどで知られていました。現在は施設の老朽化等のため休館していますが、その優れたコレクションを紹介する展覧会が同じ大津市の「滋賀県立近代美術館」で開催されています。

国宝 金銀鍍透彫華籠(神照寺) ※全期間展示
国宝 金銀鍍透彫華籠(神照寺) ※全期間展示画像一覧

出品物は、国宝 金銀鍍透彫華籠(神照寺)や重要文化財 薬師如来立像(聖衆来迎寺)などの優品75件。これらのコレクションは平成32年(2020)3月に生まれ変わる予定の新美術館(現在の滋賀県立近代美術館)に引き継がれる予定です。ひと足早い公開となる本展で、滋賀の文化の豊かさを感じてください。

2016年10月8日(土)〜30日(日)/11月1日(火)〜23日(祝・水)
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