誰よりも人間的、天才ピカソの秘密

若き日のパブロ・ピカソ(1881 – 1973)『ピカソ、天才の秘密展』にて
「ピカソ」と言えば、反戦・抵抗のシンボルとして有名な『ゲルニカ』に代表されるような独特の作風をイメージする人が多いはず。一般的には理解しがたい作風ですが、「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)で開催されている『ピカソ、天才の秘密展』では、そこまでに至る彼の「人間的」な作風の変化を垣間見ることができます。
今回の展覧会は、世界的にも珍しいピカソの少年時代から44歳頃の作品を収集したもので、彼の変遷を追いながら鑑賞できます。この流れのキーとなるのが、彼のその時々の心情の変化。ゴッホやセザンヌに傾倒していた時期や、友人の自殺により作風が一変したメランコリックな「青の時代(青絵の具を多用)」、パリに移住して恋人や芸術家仲間と楽しい時間を過ごした「バラ色の時代(ピンク色を多用)」など、一連の作品に彼の心境が反映されていると知ると、ピカソって実はわかりやすい人だということが見えてくるはず。

「描きたいと思ったものをいろんな方法で、本能的に自分の欲望や感情に対して正直に、これほど人間的に生きた人もいない」と主任学芸員の浅川真紀さんは話し、「人間であるということを突き詰めて生み出されているのがピカソ作品」とも。

ピカソは1907年、現代美術の大きな動きとして「キュビスム」を生み出します。「キュビスム」とはキューブ(立体)に由来するネーミングで、いろんな角度から見たモノの形を一つの画面に収めるという作風。「人間臭いピカソだからこそ、多方面からその人を分析して、いろんな角度から表現した」と言われたら、その鑑賞方法も大きく変わってくるはず。それまでの彼の人生と言葉の意味を本展で知ることができます。会期は7月3日まで、料金は一般1,500円、ほか。
取材・文・写真/谷知之
『ピカソ、天才の秘密展』
期間:2016年4月9日(土)〜7月3日(日)
時間:10:00〜20:00(月土日祝は10:00~18:00)※いずれも入館は閉館30分前
4/11・18・25、5/9・16・23休み
場所:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階)
料金:一般1,500円、大学・高校生1,100円、中学・小学生500円
電話:06-4399‐9050
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
大阪のおすすめビアガーデン2025年最新版
NEW 3時間前 -
銀行の中にスタバ!? 関西1号店行ってみた[PR]
NEW 24時間前 -
【大阪・関西万博2025】人気グルメから穴場スポットまで…最新情報まとめ
NEW 2025.4.30 12:00 -
万博・タイパビリオン、大屋根リングから歓声も[PR]
NEW 2025.4.29 12:00 -
京都・川床おすすめランチ&ディナー、鴨川・貴船・高雄エリア別【2025年】
NEW 2025.4.29 11:00 -
ホテルで贅沢に…大阪アフタヌーンティー2025年完全版
2025.4.28 11:00 -
新社会人に告ぐ! 仕事の「#真相をお話しします」[PR]
2025.4.24 17:00 -
「えびそば一幻」が大阪初進出、バブル期の象徴に[PR]
2025.4.24 07:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.4.23 11:00 -
京都のホテルで楽しむ、アフタヌーンティー2025年最新版
2025.4.18 10:00 -
神戸のホテルで贅沢に、アフタヌーンティー2025年最新版
2025.4.10 11:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.4.10 11:00 -
淡路島の観光&おでかけ&グルメスポット、2025年最新版
2025.4.2 19:30 -
春は桜も!ガイドブックにもない、淡路島秘境ツアー[PR]
2025.4.2 07:00 -
テンプル大学、学生たちの京都生活。【PR】
2025.4.1 11:00 -
大阪から行く高知のおでかけ・グルメ2025最新版
2025.3.31 16:45 -
坂本龍馬の生家跡・ホテル南水、ラグジュアリーに改装[PR]
2025.3.30 07:00 -
万博迫る!大阪2カ所でオランダパビリオンお披露目[PR]
2025.3.29 18:30 -
ワインのような日本酒? 高知県に期待の新蔵が誕生[PR]
2025.3.29 07:00 -
大阪でなぜ?KITTE高知ショップ、意外な売れ筋[PR]
2025.3.28 07:00 -
2025年は開業ラッシュ!大阪・梅田の新商業施設まとめ
2025.3.27 12:00