「わからない」芸術、その意味とは

吉村洋文大阪市長から記念トロフィーを受け取る塚原悠也さん(右)
—「わからない」もうひとつの考え方—
では「わかる」と思った時、本当にわかっているのだろうか。「考えてみれば世の中は『わからない』事の方が多く『わかる』事の方が少ないと思います。またその『わかる』でさえファンタジーか仮説である場合も多々あります。『わからない』ものとの接しかたは、もっと柔軟でいいと思います。『ふーん、なんでそうなるのかな』という考え方をストレスに直結させることはない」と塚原さんはいう。
一方で、「人間という生き物はどうも「わかる」ものだけでは、うまく社会的に機能できないのではないか、ということも考えられます。それは、余裕をもって生きようとかそういう生易しい類の話でもありません。なぜ人類は芸術を生み出してしまったのか、それら意味不明なものを作らざるを得なかったのか」と深く考える。
「芸術なんてわからないし、私には必要ない」という人もいるが、塚原さんは「そういう人もすべて含んで芸術は人類に働きかけます。そういう考え方に立つと芸術行為というものは人類による共同作業なのではないか」という。「芸術というものが概念上の『わからない』領域を本能的に開拓し、それが何なのか集団で考えるきっかけを作っているのかもしれません。見たこともない、ありえないレベルの意味の接続の仕方を生み出せるのは地球上で、遊戯と芸術だけです。そしてそれは科学や経済にも必ず影響します」とも。

—つまり、わからなくていいんです—
塚原さんは、「『わからない』を抱えて生きていくほうがよっぽど価値があるのではないかとさえ思います。そうやって抱えた『わからない』が例えば10年後にふと歩いていて、急に思い出したりすることもあります。なにかが『わかる』瞬間です」と、時間をかけて「わからない」を温め続けることに意味があるという。
また「作る側から言及すると、作家でさえすべてわかっていない。自分自身の作品についてその後何年も考えて、あの時のアレはなんでアァなったんだろうと考え続けます。しかし作品は、子どものようにある種の運命や意思を抱えて未来に進んでいきますので、作り手がどう言おうと、意味は刻一刻と変遷します。そういう意味でも、まずわかるわけがないんです」とも言う。結局「ここまでくると、わかる、わからない、という問題ですらない」とわからないことにしばられる必要もないと塚原さんは締めた。

激しく身体をぶつけあうパフォーマンスをベースに、共演者や会場にあわせて表現を生みだしてきたcontact Gonzo。『KYOTO EXPERIMENT 2016』の公式プログラムのひとつとして、「京都府立府民ホール アルティ」(京都市上京区)で3月26日・27に行われる公演『てすらんばしり』は、初顔合わせとなるボイスパフォーマー&作曲家の足立智美さんとともに新しい音の空間を作り出す。どんな「わからない」が生まれるのか、その刺激を体感したい。
『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 SPRING』
期間:2016年3月5日(土)〜27日(日)
会場:ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、ほか
料金:プログラムにより異なる
電話:075-213-5839(平日11:00〜19:00)
『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 SPRING』
足立智美 × contact Gonzo『てすらんばしり』
日程:2016年3月26日(土)・27日(日)※14:00〜
会場:京都府立府民ホール アルティ(京都市上京区龍前町590-1)
料金:一般3,000円、ユース・学生・シニア2,500円、高校生以下1,000円、ほか
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