滋賀・甲賀市で忍者の子孫を発見「調べてみると忍者だった」

2016.2.22 19:50

「忍の里・プララ」内の展示コーナー

(写真1枚)

忍者を学び、楽しむイベント『甲賀流忍者復活祭』が2月21日、滋賀県甲賀市の「忍の里・プララ」で開催され、甲賀市長や忍者の末裔らが登場。独自の調査から、少なくとも88世帯が甲賀流忍者の末裔であることを確認したと発表した。

右から甲賀忍術研究会の井上直哉さん、「甲賀の里 忍術村」の北澤晃さん、忍者の末裔・伴勇資さん、中嶋武嗣甲賀市長
右から甲賀忍術研究会の井上直哉さん、「甲賀の里 忍術村」の北澤晃さん、忍者の末裔・伴勇資さん、中嶋武嗣甲賀市長

北は「早道の者」(青森県)、西は「山くぐり」(鹿児島県)と呼ばれ、日本各地に存在した忍者。甲賀流と伊賀流の認知度が全国的に高いものの、これまでその実態はほとんど掴めていない。そこで甲賀市は「甲賀流忍者調査団 ニンジャファインダーズ」を結成、今年1月にその調査に乗り出した。「甲賀五十三家」という甲賀流忍術を伝承している家々と同じ名字、725世帯にアンケート調査を行い、224世帯から回答を得た。

調査の結果、224世帯のうち88世帯が忍者が子孫である可能性が高く、そのなかの43世帯は祖先が忍者であるがゆえに伝えられている習慣や物証などが残っていると回答。任意訪問した世帯からは、古文書や手裏剣、忍者しか使わない家紋付きの鎧兜などが発見された。

『甲賀流忍者復活祭』忍者パフォーマンスの様子
『甲賀流忍者復活祭』忍者パフォーマンスの様子

今回、トークイベントで「甲賀五十三家」末裔代表として登壇した伴勇資さんの先祖は、島原の乱(1637〜8年)で忍者として活躍した伴甚五兵衛尉資忠(ばんじんごへえのじょうすけただ)。自宅から見つかった古文書には、城に入って会話を聞きとる任務を行ったと書かれていたという。「先祖代々、農業で親からも祖父からも忍者だったことは一言も知らされていなかった。驚いている」と伴さん。

最後に「実は僕の祖先も調べてみると忍者だったんです」と、忍術のテーマパーク「甲賀の里 忍術村」の北澤晃さんがカミングアウト。これまで、世を忍んでいた忍者たちだが、少しずつその正体が明らかになってきている。

取材・文・写真/岡田由佳子

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