頑張る女性に寄り添う 片平里菜の歌

片平里菜
2011年『閃光ライオット』で審査員特別賞を受賞し、2013年にメジャーデビューを果たした福島出身のシンガーソングライター・片平里菜。アレンジャーに亀田誠治、クラムボンのミト、SCANDAL、cinema staffらが参加した2ndアルバム『最高の仕打ち』を完成させた彼女に話を聞いた。
ずっと形にしたかった「最高の仕打ち」
「音楽活動をしながら形にしたいとずっと思っていたテーマで、この曲がすべて」と彼女が言い切るのが、アルバムのタイトルにもなっている13曲目の『最高の仕打ち』。HAWAIIAN6の安野勇太をアレンジャーに迎え、6分を超える「弾き語り」での一発録りのレコーディングとなった。安野のアコースティックギターに乗せて歌う彼女の歌声はやさしくも力強く、聴く者の心にダイレクトに響く。「悔しさは飲み込んで それでも上を向く君は 誰よりも美しい人になれる それが最高の仕打ち」と、まるで近くで励ましてくれているような迫力を感じる。
実は前作をリリースした1年半前には、すでに完成していたというこの曲。昨年の弾き語りツアーはこの曲をメインに回っており、ファンからは「CD化してほしい」との声が多く寄せられていた。「『仕打ち』って言葉と『復讐心』ってリンクすると思うんですけど、そういったマイナスの意味ではないんです。例えば不幸な境遇にいるときに、そのマイナスのエネルギーを自分が輝くためにもっと今を楽しく過ごすとかそういったことで最高の仕打ちができる、ということを伝えたくて。私の中で一番表現したかったことで、この曲を聴いた人にとって救いの歌になったらいいなと思って」
福島から東京に出てきて作ったアルバム
前作は、10代の頃に地元・福島で感じて出てきたものをとにかく歌にしていたそうだが、このアルバムは上京して東京で作った曲がほとんど。東京でいろんな経験をして大人になった彼女が、今度は受験生、上京して一人暮らしをする人、失恋した人、キレイになるためにバイトに勤しむ人などなにかと戦い頑張る女性に寄り添い、背中を押している。「福島から東京に出てきて親の愛情から巣立って、1人での生活にいろいろ葛藤しながらも、周りに支えられてちょっと大人になれたのかな。お米とかりんごとか仕送りでもらってますけど(笑)。この1年半で更にライブをする機会が増えて、どんな人に届いているのか目に見えてわかってきて。これまでは自分との対峙でしかなかったけど、今は聴いてくれる人がいるからその人の救いになれば良いなと、そこに向かって歌えるようになりました」。
また、『最高の仕打ち』を軸にできたからこそ、さまざまなアーティストをアレンジャーにむかえ、自由に作ることができたという。「いろんな音楽に興味があるし、いろんな感情が自分の中にあって。求める音に思い浮かぶ人を挙げて、お願いしてます。でも逆に自分が想像していたものと全く違うものが返ってくることもあって。『Love takes time』は、弾き語りで作っていたときはホーン隊が鳴っているようなちょっとブラック寄りにしようかと思ってたんですけど、クラムボンのミトさんにお願いをして返ってきたデモを聴いたら、ピアノを中心としたドラマチックでキラキラしたアレンジにしていただいて。お願いしたからこそ新しい部分を引き出していただけるので、いろんなジャンルに挑戦できてます」
そんな多彩なサウンドが詰まったアルバムを携え、全国ツアーが2月からスタート。3月18日には、大阪「なんばHatch」で開催される。彼女が歌に込めるメッセージや魂はCDからも伝わるが、ぜひ生で聴いてみて。「やっぱり直接会って歌いたいから、ライブに来て欲しいです!」
『片平里菜 3rdワンマンツアー2016“そんなふうに愛することができる?”』
日時:2016年3月18日(金)・19:00〜
会場:なんばHatch(大阪市浪速区湊町1-3-1)
料金:4,000円(D代別途要、オールスタンディング、整理番号付)※未就学児入場不可
電話:0570-200-888(キョードーインフォメーション/10:00~18:00)
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