小吹隆文撰・週末おでかけアート、2/10〜
2016.2.10 21:49

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「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、現代アート、映像、写真、紬織をご紹介。

独自の表現手法が更に深化
『Konohana’s Eye ♯11 鮫島ゆい「5時の点は白と黒」』@the three konohana

2011年以来、コンスタントに個展を積み重ねてきた鮫島ゆい。彼女の絵画作品は、グレー、白、黒を基調としたものが多く、要所で見せる素早い筆致と、イメージの組み合わせ方に特徴があります。

鮫島ゆい《ある日のヴィデオ・アニメイション #1》 アクリル・綿布 30.0x30.0cm 2016年
鮫島ゆい《ある日のヴィデオ・アニメイション #1》 アクリル・綿布 30.0×30.0cm 2016年画像一覧

鮫島の制作の根底にはコラージュがあり、まず現実に存在する様々なモチーフの組み替え・組み合わせを行い(第1のコラージュ)、それらをさらに解体・再構成することで(第2のコラージュ)、一つの画面に収斂させて行くのです。また、ドローイングの一種として立体作品を並行制作するのも彼女の特徴です。今回の新作展では、作品に登場する個々のパーツよりも全体的な構成力に重きを置くとのこと。作品のさらなる深化と説得力の獲得を目指しています。

※2/12(金)18:00〜オープニングパーティーあり

2月12日(金)〜3月27日(日)
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目から鱗! こんな映画もあったんだ
『第11回中之島映像劇場 ラボ映画の冒険 日本の構造的/物質主義映画』@国立国際美術館

国内外の実験映画を特集上映している「中之島映像劇場」。レアな作品を見られるうえ、入場無料ということもあり、映像ファンにはありがたい企画です。

《AZIZ SHAKAR LOOKING FOR JOB 2007》(末岡一郎、2007年、16mm、カラー、サウンド)
《AZIZ SHAKAR LOOKING FOR JOB 2007》(末岡一郎、2007年、16mm、カラー、サウンド)画像一覧

11回目の今回は、 映画制作の工程で創造的作業とは見なされていない、現像・プリントなどのラボ・ワークがテーマです。参加作家は、フィルムの物質性や映写すること自体など、映画の仕組みや構造を扱う奥山順市、自家現像・自家プリントを行い、フィルム独特の肌理を重視する能登勝、ファウンドフッテージ(撮影者不明で埋もれていた映像という設定のフィクション作品)を用いて映画史を再読する末岡一郎など5作家。いずれもフィルムで制作しており、フィルムで見ることの意味を再考する機会とも言えます。

※全席自由、先着130名。各日10:00より当日の各プログラムの整理券(1名につき1枚)を配布。各プログラム入れ替え制

2月13日(土)・14日(日)
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現代日本を代表する写真家の現在形
『所幸則写真展 アインシュタインロマン』@ギャラリーTANTO TEMPO

フリーの写真家として、雑誌、広告、写真集で活躍し、国内外で高く評価されている所幸則。彼は2006年の集大成的作品集『CHIAROSCURO 天使に至る系譜』で第1期の終了を宣言し、翌2007年にモノクロームによる東京・渋谷のランドスケープを中心とした作品で、第2期の作家活動に入りました。2008年には1秒間に起こる出来事を1枚の写真で表現する《ONE SECOND》シリーズを発表し、写真界に大きな衝撃を与えています。

yukinori TOKORO
yukinori TOKORO画像一覧

今個展では、近年彼が取り組んでいるシリーズ《EINSTEIN ROMANCE》を展覧。車窓からの風景を捉えた同作には、1枚の写真の中に静止状態から流動するイメージまで複数の時間が収められており、写真表現の新たな地平を体感できます。

※3/12(土)16:00〜トーク&レセプションあり

2月6日(土)〜3月13日(日)
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約60年にわたる創作の軌跡を一望
『志村ふくみ展 母衣への回帰』@京都国立近代美術館

大正13年(1924)に滋賀家近江八幡市に生まれた志村ふくみは、31歳の時に母の影響で織物を始めました。昭和32年(1957)には第4回日本伝統工芸展に初出品で入選。その後も受賞を重ねて、平成2年(1990)には紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。

志村ふくみ《秋霞》1959年 京都国立近代美術館蔵 
志村ふくみ《秋霞》1959年 京都国立近代美術館蔵画像一覧

草木から抽出した自然染料で糸を染め、機織りした彼女の作品には、連綿と受け継がれてきた技術に対する敬意が感じられます。また、自然との共生という、人間にとって根源的な価値観を思索し続ける姿勢に共感する人も多いでしょう。昨年の文化勲章受章を記念して開催される本展では、代表作を中心に初期から最新作までを一堂に展覧。志村芸術の魅力と創造の核心に迫ります。

※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

前期:2月2日(火)〜28日(日) 後期:3月1日(火)〜21日(月・祝)
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