匠・藤本幸治の切子ガラス、奈良で作品展

コバルトブルーに飾られている藤本さんの作品。当日は新作も展示
ガラスを専用の機械で削って装飾する切子ガラス。その職人歴66年、御年86歳ながら今も現役で活躍する藤本幸治さんの作品展、『藤本幸治展』が奈良市のギャラリー「工場跡」で開催される。期間中は実演も行われる予定だ。
都島にある「藤本硝子加工所」で、黙々とランプシェードに切子で絵を描いている藤本さん。日本で切子職人は少なくなり、大阪でも藤本さんが把握しているのは自身を含めて、わずか2人だという。藤本さんの作品はサンドブラストという白いスリガラスと切子を組み合わせた技法が特徴。この2つを組み合わせている切子職人は日本でもなかなかいない。

小さいころから絵を描くのが好きだったという藤本さんは、桜の名所である奈良県吉野郡出身。14歳で大津陸軍少年飛行兵学校に入校し、工場実習中に静岡県で終戦を迎えた。中学卒業後、天満にある水野硝子加工所で20歳から8年間にわたり、住み込みで硝子加工の修業して独立。美しく、繊細で丁寧に描かれる花模様の「花切子」が修得した技法の中心だ。

高い技術を持ちながらも藤本さんは、「切子は私にとって天職。色々な人の支えが励みになって続けられています」と常に謙虚な姿勢。作品展ではランプシェードやステンドグラス、コップなど繊細で美しい切子の作品が並ぶ。「たくさんの人に手にしてほしい」という藤本さんの思いから購入価格(切子のコップ700〜800円、ランプシェード1万円〜)もリーズナブル。コップのみ、希望の柄をその場で彫る実演販売も(滞在中のみ)。ぜひ、藤本さんの美しい切子に癒やされてみて。
取材・文・写真/岡田由佳子
『藤本幸治展 Brilliant Cut-Glass Works 切子硝子の優しい灯り』
期間:2015年11月1日(日)・3日(祝・火)・6日(金)〜8日(日)
時間:11:00〜17:30(作家滞在時間14:00〜16:00)
会場:工場跡(奈良市芝辻町543)
電話:0742-22-2215
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