佐藤隆太、舞台でカビ人間を演じる

2015.9.5 18:13

世にも美しく悲しいロマンスが10年ぶりに再演

(写真3枚)

『パコと魔法の絵本』の原作舞台をはじめ、数々の名作を生み出してきた後藤ひろひと(脚本)×G2(演出)コンビ。その中でも最高傑作にあげる人の多い『ダブリンの鐘つきカビ人間』が、主演に佐藤隆太を迎えて、10年ぶりに再演される。

本作は後藤が、1996年に大阪の劇団[遊気舎]に書き下ろし、後にG2演出で2回上演されたファンタジー風の作品。主な舞台は、住民の大多数がそれぞれ異なる病気に冒された、中世アイルランド風の村。村中の嫌われ者のカビ人間と、病のために思っていることと逆のことしか言えなくなった少女の、世にも美しく悲しいロマンスが描かれる。

過去には大倉孝二や片桐仁も演じた、主役のカビ人間。彼もまた病気の影響で、うるわしい外見と醜い心が入れ替わったため、醜悪な姿に反して純粋な心を持つというキャラクターだ。この難役に対して佐藤は「セリフを発していなくても、立っているだけで切なさが伝わるという存在。でもピュアさを狙いすぎると、観ていても感情移入できなくなってしまうなと。難しいアプローチかもしれませんが、頭で考えすぎずに・・・。でも舞台上にいる間は、切なさをちゃんと背負っていけるようにしたいです」と抱負を語る。

様々なエンターテインメント要素を融合させた傑作舞台
様々なエンターテインメント要素を融合させた傑作舞台

そのほか、東京パフォーマンスドールの上西星来や、ミュージカルで重厚な存在感を発揮する村井國夫まで、バラエティに富んだキャストが揃っている。ただ切ないだけでなく、村人たちの奇病から巻き起こるドタバタの笑いや、一連の出来事を聞いた現代のカップルに起こるサスペンスな展開まで、様々なエンターテインメント要素をあざやかに融合させた傑作舞台だ。

取材・文/吉永美和子

『ダブリンの鐘つきカビ人間』

作:後藤ひろひと
演出:G2
出演:佐藤隆太、上西星来、白州迅、大塚千弘、篠井英介、村井國夫、ほか
日程:2015年11月13日(金)〜15日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
料金:8,500円(全席指定)
電話:0570-200-888(キョードーインフォメーション)
※チケット発売は9月6日(日)から

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