円山応挙、若冲ら、讃岐の至宝を堪能

円山応挙《遊虎図》東面と北面右 天明七年(1787) 紙本墨画淡彩金砂子撒
海上交通の守り神として知られ、今も多くの参詣者を集める香川県の金刀比羅宮。「こんぴらさん」の愛称で親しまれているこの神社には、昔から多くの美術工芸品が奉納されています。それらの宝物を惜しげもなく披露しているのが、この展覧会です。
本展の見どころは数々ありますが、まず挙げるべきは、円山応挙が描いた表書院の襖絵28面でしょう。《芦丹頂図》4面、《遊虎図》16面、《竹林七賢図》8面から成る同作は、現地と同じ配置で展示されており、美術館の行き届いた展示環境も相まって、圧倒的な存在感を放っています。また、奥書院「上段の間」を飾る伊藤若冲の《花丸図》は、襖絵4面が展示されており、40図35種類の花々を細密な描写で楽しむことができます。そして、日本洋画の先駆者・高橋由一の油彩画8点にもご注目を。《豆腐》や《なまり(なまり節)》といった作品は、およそ洋画らしくないモチーフと粘っこい描写が相まって、由一独特の美意識を味わえるでしょう。

ほかには、伝 狩野永徳《富士山杉樹図屏風》、狩野探幽《山水図屏風》、狩野探幽・尚信・安信による《三十六歌仙図》、伝 狩野清信《像頭山社頭並大祭行列図屏風》などの狩野派の作品や、長澤芦雪、司馬江漢、岸岱、勝川春草、菊池容斎など、鎌倉時代から明治時代にかけての名品が見られます。全43件・約120点の威容を誇る展覧会です。
これだけの名品が揃って納得しない美術ファンはいないでしょう。しかも本展は、あべのハルカス美術館開館1周年記念企画で、1館のみの開催なのです。その貴重さも展覧会の価値を押し上げています。
取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)
「昔も今も、こんぴらさん。-金刀比羅宮のたからもの-」
期間:2015年5月22日(金)~7月12日(日)
時間:10:00~20:00(土日祝は~18:00) 月曜休(6/29・7/6は開館)
会場:あべのハルカス美術館
料金:一般1,300円、大高生900円、中小生500円
電話:06-4399-9050
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