衝撃作が続々! 今、音楽映画が面白い

2015.4.16 18:04

『セッション』© 2013 WHIPLASH, LLC. All Rights Reserved.

(写真4枚)

助演男優賞ほか、第87回アカデミー賞で3部門を受賞した映画『セッション』が、4月17日(土)から公開される。プロのドラム奏者を目指し、希望に胸を膨らませる主人公に対し、常に完璧を求める名門音大の教師は容赦ない罵声を浴びせ続け、そのレッスンは狂気に満ちていく・・・。芸術的至高と、それゆえの代償。そうまでして人々が求める音楽の圧倒的な「何か」、それをラスト9分に凝縮させた本作は、映画史に残る傑作とも言われている。

そして、『セッション』と同じく、音楽を題材にした映画が今月から怒濤の如く公開される。天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスがスターダムに駆け上がる2年間を描いた『JIMI:栄光への軌跡』(4/11公開)、伝説のファンク・ミュージシャンでありながら、一時はホームレスを余儀なくされた『スライ・ストーン』(5/16公開)、さらには、あのミック・ジャガーがプロデュースし、キング・オブ・ソウルの光と影をとらえた『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』(5/30公開)など、偉大な音楽的功績だけでなく、それを生み出した背景、裏側に迫った作品ばかり。桁違いの才能をもったミュージシャンの苦悩と孤独、時代を翻弄する(そして、される)姿は、ダイナミズムの塊だ。

『スライ・ストーン』© Dwars Productions
『スライ・ストーン』© Dwars Productions

もちろん、邦楽も負けてはいない。1998年に急逝したhideの音楽、素顔に迫った音楽ドキュメンタリー『hide 50th anniversary FILM 「JUNK STORY」』(5/23公開)、結成30周年を迎えたニューロティカのボーカル、ピエロ姿のイノウエアツシの奇妙な軌跡を、氣志團・綾小路翔や筋肉少女帯・大槻ケンヂらとともに振り返る『あっちゃん』(4/18公開)、さらに、2月に公開された『味園ユニバース』では大阪の秘宝こと、ロックバンド・赤犬が本人役で出演。その歌唱力に近田春夫も「考えるヒット」(『週刊文春』連載)で絶賛した渋谷すばる共々、大きな反響を呼び、一部地域では4月でも公開され、高い人気を誇っている。

世に出てきた音楽は、いわば結果。完成品だけを求めるならレコードやコンサートでいいが、その過程にはさまざまなドラマがつきものだ。そこにスポットを当てた音楽映画は、事実は小説よりも奇なりを地でいく、実に人間臭い感情が渦巻いている。それを知ることで、より音楽が輝いて聴こえる不思議。そんな体験が音楽映画には詰まっている。

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本