キング・オブ・Jソウル、久保田利伸の自由なる境地とは?

キング・オブ・Jソウルこと久保田利伸
「半分冗談、半分本気で、関西に住もうかなって」(久保田利伸)
──以前お話をお伺いしたときは、日本でもスタッフ含めて、R&Bへの理解が深まっていたのですごくやりやすかったと。
今では聴きたがっている人は普通にたくさんいるし。頭でよりも、身体でR&Bとかグルーヴものを分かってくれている人たちは現状としてたくさんいますから。まぁ、特に関西ですよね。
──やっぱり関西ですか(笑)。
うん。それはもう。関西は、今に始まったことではないですから。根がファンキーピーポーなのは明らかですよ。ほかのところだと、いくらR&Bが浸透したと言っても、まだまだ言葉を選ぶところはあるし、具体的に曲の話になっていっても、ポップスの説明をするという心構えをしながら、相手の様子を見ながら少しずつR&Bの話をするんですが、ここは一切ないです。
──遠慮が要らない感じですか。
そう、遠慮が要らない。たとえばNYでも、音楽やってる人、それから音楽の修行に来ている人、DJ、ラッパー、女性の歌い手、ほとんどが関西人ですし。僕のバンドも、メンバーが入れ替わってもデビューからずっと関西人が多いですね。声が大きいから、目立つっていうのもあるかも(笑)。遠慮がないですからね。道で会っても声を掛けてくるのは関西弁の人ですから。「久保田や、ホンマや!」とかって。ほかのエリアは遠巻きに見てるだけですから。
──めっちゃ指さされますよね。
指すどころか、話しかけてきますからね。スイマセンという感じじゃなくて、こちら側にグルッと回り込んで「ホンマや!」って。「どこ行くんすか?」って(笑)。

──デビュー以来、何度も来られてますが、関西に住むことを考えたりとか・・・。
ありますよ! あまりにも心地よくって。半分冗談、半分本気で、ここに住もうかなって。外国のミュージシャンとか関西に住んじゃう人が多いですからね。誰とは言いませんけど、NYでずっと一緒にやっていた奴は関西に住んでるし、あと、有名なダンサーのJさんとかね。まあでも、実際に住むとなった場合、僕は静岡生まれの普通の者ですんで、相当心構えをしないと、根っからのファンキーなノリについていけないかもしれない、私生活も含めて。
──ちょっと休めるときも欲しいですよね。
休めないですよね。昨日もごはん屋に行ったとき、すごく親切なおいちゃんが、「あ、久保田さんですね?」「そうです」って言ったら、そこからずっと、いろいろお話ししてくれて。いざ食べるときは、「おう、うまいやろ?」って、もう全然味わうヒマがないんですよ。あれが毎日となったら、やっぱり関西生まれじゃないと大変だろうなと。で、関西出身のスタッフにそのことを話したら、「私はあれがめちゃくちゃ楽しいんです、ああじゃないと落ち着かないんです」って。いやぁ、ここに住むにはまだまだ修行が必要です(笑)。
──実際そうなったら相当面白い話ですけど(笑)、大阪でのコンサートもやっぱり違う感じですか?
そうですね。根っからのファンキーピーポーの前でコンサートをやってる、そう思い過ぎちゃうと、こっちが気負っちゃって緊張しますから。そういうライブも過去にはありましたし。
──ほかのエリアではない現象だと。
ありえないですね。僕がファンキー兄貴として会場を引っ張っていくんですけど、関西は始まった途端にうるさいですから、客席が(笑)。ほかの会場だと、「次、なに歌うのかな?」ってちょっと緊張した雰囲気のところも、関西では「うまいなー!」とか「ええ声や!」って、男女問わず声が飛んできますから。僕もすごくありがたいんで、「静かにしてください」って返すと、どかんとウケるし。実際、そこまでほんわかできればいいんですが、過剰に意識してしまうことがありました、昔は。今はもっともっとファンキーノリに乗せられる感じでやれてますね。
──関西弁で大声で叫ぶコール&レスポンスは、久保田さんのコンサートのひとつのお約束ですよね。
そうです。普通、コール&レスポンスって、「セイ、イェー!」とか言って、「イエー!」って返ってきたりとかあるんですが、大阪は先にレスポンスされますから(笑)。
──レスポンス&コールという(笑)。
そうそう、レスポンス&コール(笑)。僕が追っかける側になってキリ無い感じになるという。あと、「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんなー」ってよく言うじゃないですか。たまにメロディに乗せて「儲かりまっかぁ~?」って歌ったら、お客さんも「ぼちぼちでんなぁ~♪」って。
──勝手にメロ付けて返してくると(笑)。
スゲエなと思いますね。さすが大阪だなって。
──そんな関西でのホールツアー(大阪、神戸、滋賀)はすべて即完売。9月には大阪城ホール2デイズが決定しましたが、どんなコンサートになりそうでしょうか?
今の段階ではコンサートの中身、曲目とか、構想はありますが、まだ具体的には言えないんです。でも、大阪城ホール公演は、ホールツアーの延長ではあるんですが、やっぱりホールとアリーナというのは意味が違うので、あえて頼んだのは、「Supa Dupa」って付けてくれって。ホールツアーのタイトルは「L.O.K」、アリーナは「L.O.K Supa Dupa 」にしてくれと。それなりにスペシャルなものはやる、という心づもりではいます。でも、大阪城ホールなんで、決して気負わないように気をつけて。
──飲まれないように(笑)。
そう、飲まれないように(笑)。意識しすぎないように、逆にせっかくなんで楽しませてもらうと。大阪のファンキーなノリに乗っけてもらうつもりでやります。
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